【ペット栄養管理士監修】愛犬用豚肉と大根おろしの養生ごはん

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山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

じめじめした空気に包まれる梅雨の季節。湿度が高くなるこの時期は、人も動物も「体に湿気がたまりやすい」といわれています。また、特に感情の発散が苦手な性格に多いのが体の中に熱をためやすいことです。この時期の皮膚の不調には、湿気や体内の余分な熱が悪さをしていることがあります。

今回は、そんな季節にぴったりの“さっぱり整う”ごはんをペット栄養管理士の山本がご紹介します。

じめじめ季節の体調サポートには

梅雨どきの6月は、中医学でいう「湿邪(しつじゃ)」が強くなる季節。
この湿気は体内に入りこむと、消化力(脾のはたらき※)を弱めるだけでなく、熱と結びついて「湿熱(しつねつ)」となり、皮膚のトラブルにつながることもあります。

今回のレシピは、そんな時期にぴったりの「湿」と「熱」をゆるやかに発散し、体の中から巡りを整える一皿です。

・豚肉は気血を補いながらも、こもった熱をやわらげる性質があり、疲労回復にも役立ちます。

・オクラさつまいもは「脾」を助けて余分な湿を排出し、お腹の調子をサポート。

・オートミールはエネルギー源になりつつ、消化にもやさしい穀物。

さらに、大根おろしシソの葉を合わせた香り高いトッピングには、

・気の巡りを整え、熱を発散させる

・皮膚のもやっと感(赤み、かゆみ)を予防し、さっぱりと整える
というサポートの意味も込めています。

辛味がやや強い大根おろしは、とうもろこしフレークを混ぜて甘みと穏やかさをプラス。
仕上げに数秒レンジで加熱することで、辛味を和らげ、よりマイルドに整えました。

じめじめした空気に負けず、皮膚も内臓も「こもらない」食事で、気持ちよく季節を乗り切るサポートができるといいですね。

※中医学の脾は、西洋医学の脾臓の働きとは異なります。

愛犬用豚肉と大根おろしの養生ごはんレシピ

■材料

 

・野菜フレーク とうもろこし https://petpro.jp/product_1007/ 3g

・豚肉(肩ロースorモモ肉) 80g

・大根おろし 30g分

・サツマイモ 20g

・オートミール 10g

・オクラ 1本

・パプリカ 10g

・紫蘇葉 1枚

・乾燥小魚(イワシ) 2匹

 

※上記のレシピは体重4kg成犬の1日分のカロリー相当量(控えめ)です。

与える際は愛犬に合った適量を与えて下さい。

 

カロリー(全量):およそ290kcal(材料全量)

 

 

■作り方

①豚肉はこま切れに、オクラ、サツマイモは2~3㎜の薄さに、パプリカは細かくみじん切りにします。

②鍋に水100cc(分量外)、豚肉、パプリカ、オートミールを入れて火にかけます。炒め煮のように中火で混ぜながら熱し、豚肉に十分に加熱できたら火を止めます。

③さつまいもとオクラは耐熱容器に水100cc(分量外)を一緒に入れて電子レンジ600Wで2分ほど加熱し、水気を切っておきます。(サツマイモが柔らかく火が通るまで加熱します)

④大根おろしと紫蘇葉と野菜フレークを混ぜる。(大根おろしの水分量が少ない場合は、水を小さじ1ずつ足して混ぜてください)

器に②③を盛り、大根おろしをトッピング、小魚をほぐしてちらしたら出来上がり。

 

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、体重4㎏の成犬(避妊・去勢済み)の1日分としては控えめのカロリーです。雨でお散歩が休みがちになるときや、水分豊富なトッピングのひとつとして利用してください。紫蘇葉の香りは湿気で滞りがちな体内の気の流れを整え、胃腸の働きのサポートに役立ちます。苦手な場合は、少しずつ働きは違うもののバジルやミント、パセリなどを少量代用してもいいでしょう。

また大根おろしの香りや食感が苦手な場合は、大根を細かく刻んで、他の具材と一緒に炒め煮にしても大丈夫です。大根は中医学でも「気の巡りをよくし、消化を助ける」とされる食材なので、形を変えてでも取り入れるのはおすすめです。

加熱することで辛味が和らぎ、ほんのり甘みも感じられるので、食べやすくなります。野菜フレーク とうもろこしは最後にふりかけても炒め煮に入れてしまってもいいでしょう。甘みをプラスして野菜をさらに食べやすくしてくれます。

さいごに

ひとつの鍋で一気に作るレシピではないので、少し面倒な気がするかもしれません。そんな時こそ丁寧さにチャレンジする機会でもあり、また多めに作って冷凍すれば時短にもなります。また手作り食はその1食で完全さを狙うものでもありません。

特に雨が多い時期は「なんとなく不調」が出やすいものですが、ごはんから整えることで大きな不調を防ぐことができます。もちろん、ごはん以外のケアも大切に。晴れた日は思い切り散歩を楽しんで体を動かすようにしてくださいね。