https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

今年は長い猛暑が続きましたが、ようやく秋らしい空気を感じられるようになりましたね。

秋の楽しみのひとつに、愛犬たちがハロウィンのコスチュームを着ている姿をみること。なかなか凝ったものが増えてきたように思います。

 

今回はハロウィンを楽しむ一品として、見た目もかわいい「かぼちゃのお団子」を作りました。中には鶏ミンチで作ったやさしいお団子、外側にはサツマイモとかぼちゃのパウダーを合わせた鮮やかなペーストをまとわせました。

ジャック・オ・ランタン風に仕上げれば、食卓もハロウィン気分いっぱいに。
完全手作りではなく、ごはんの一部としてイベントに添える一品ですが、愛犬と一緒に季節を楽しむのにぴったりです。
今回は、愛犬用ハロウィンかぼちゃ団子の素材の役割や作り方を、ペット栄養管理士の山本がご紹介します。

食欲の秋と換毛期にやさしいごはん

10月は、昼夜の寒暖差が大きくなり、体調を崩しやすい季節です。
夏の疲れが残るうえに、涼しくなって運動量が増えることで食欲も旺盛になりがち。実際にこの時期は、食べすぎや消化不良で動物病院を訪れる子も少なくありません。

さらに秋は換毛期の真っ盛り。新しい毛が生えるのにエネルギーや栄養を多く必要とするため、胃腸にやさしく栄養をしっかり届けられる食材を選びたい時期でもあります。

そんな季節におすすめなのが、かぼちゃとさつまいも
自然な甘みで食欲を刺激しながらも消化にやさしく、食物繊維はお腹の調子を整え、かぼちゃのβ-カロテンは皮膚や粘膜の健康をサポートしてくれます。鶏肉と組み合わせれば、換毛期に欠かせないタンパク質もしっかり補給できます。

今回作ったレシピは、そんな秋のケア食材を組み合わせ、ハロウィン仕様に仕上げました。食欲の秋も「少しずつ」を意識してくださいね。

愛犬用ハロウィンかぼちゃのお団子のレシピ

■材料

・野菜フレーク かぼちゃ https://petpro.jp/product_1006/ 5g

・鶏ミンチ肉 50g

・さつまいも 40g

・片栗粉 4g

・バター 4g

・イタリアンパセリ(無くてもいい) 少量

・キュウリ(飾り用) 少量

 

(コウモリ:添え物)

・ブロッコリーの芯

・にんじん

・黒ゴマ

※上記は作りやすい分量です。適量を与えてください。

 

カロリー(材料全量):約220kcal

 

 

■作り方

①さつまいもは火が通りやすいように小さく切ります。
仕上げの飾り用に皮の部分も使うので、厚さ1ミリで長めに切ります。

②ボウルに鶏ミンチ肉、片栗粉、イタリアンパセリ(こまかくちぎって)を入れてよくこねてから、3つに分けてお団子の形にします。

③鍋にお水400mlほど入れて①と②を入れて茹でます。

④茹でたさつまいもはつぶしてバターを加えます。

かぼちゃパウダーに水大さじ1~1.5杯(分量外)を加えてふやかしたものを加えてよく混ぜます。お団子のまわりに塗って、飾りの目や口などをつけたら出来上がり。

※飾りは、さつまいもやきゅうりの皮を切って作ります。写真のコウモリは、ブロッコリーの芯、にんじんの薄切りを茹でてからクッキー型で抜き、黒ゴマをつけています。

 

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピ全量は約220kcalです。体重3㎏の成犬(避妊・去勢済み)なら、控えめながらもほぼ1日分のカロリーに相当します。主食としてではなくごはんの一部として、小型犬は1日に1〜2個を目安に与え、その分はいつものフードを減らして調整してください。体格や活動量に応じて調整してみてください。

また、バターを省けば約30kcalオフにできます。乳製品のコクは嗜好性アップに役立ちますが、もともと食欲旺盛なタイプなら無理に加えなくてもOKです。

さいごに

今回のレシピは、見た目もかわいいハロウィン仕様ですが、秋の寒暖差で弱りやすい胃腸をいたわり、換毛期の栄養補給にも役立つ一品です。
季節の変わり目は、お腹の調子に少し注目するだけで、シニア期の不調を防ぐことにもつながります。
普段から食材の働きを意識しながらケアを続け、イベント気分もぜひ楽しんでくださいね。

 

▼そのほかのハロウィンレシピはコチラ

・ハロウィンのかぼちゃスープ 

・ハロウィン用カリカリクッキー

 

 

https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

夏の暑さが少しずつ和らぎ、朝晩には秋の気配を感じる9月。

とはいえ、この時期は夏の疲れがお腹に残り、体も少しお疲れモードになりやすい時期です。

そんなときにおすすめなのが、消化にやさしく、食べるとほんのり甘みが広がる「お魚とにんじんポタージュ」です。

やわらかい鱈に、旨みを引き立てる少量のマグロ、香り豊かな野菜を合わせ、オートミールと長芋のとろみで仕上げました。魚が苦手な愛犬には、鶏肉に置き換えても作れます。優しい味わいと栄養をぎゅっと詰めた、秋の入り口にぴったりの一皿です。

今回は、愛犬用お魚とにんじんポタージュの素材の役割やレシピについて、ペット栄養管理士の山本がご紹介します。

とろみでやさしく包む、オートミールと長芋の力

季節の変わり目は、人も犬もお腹が少し疲れやすい時期です。特に9月は、夏の暑さによる消耗や、室内での冷房による冷えが重なる時期。

犬たちは私たちより低い位置で過ごすため、クーラーの冷気を直接受けやすく、思った以上に体が冷えていることもあります。そんな環境が続くと、胃腸の働きが落ち、本調子を維持しにくくなります。

そんなときに活躍するのが、「とろみ」を上手に使ったごはんです。今回のレシピでは、とろみの素としてオートミールと長芋を選びました。

◆オートミール
水分を含むとふんわりやわらかくなり、β-グルカンという水溶性食物繊維が自然なとろみを作ります。このとろみは食材同士をなじませ、胃腸にやさしい口当たりにしてくれます。さらに、消化しやすい炭水化物源として、元気を補うエネルギーにもなります。

◆長芋のすりおろし
とろみづくりの名人です。植物性の粘り成分は水溶性食物繊維や粘性多糖類で構成され、胃腸の内容物をゆるやかに移動させるため、消化への負担が少なくなります。また、長芋には消化酵素のアミラーゼが含まれ、デンプンの分解を助ける働きもあります。やわらかな甘みは、魚や野菜の風味をやさしく包み込み、全体をまろやかに整えます。

オートミールと長芋、この二つの力で、季節の変わり目にぴったりのほっとする一皿になります。

愛犬用お魚とにんじんポタージュのレシピ

■材料

・野菜フレーク にんじん https://petpro.jp/product_1008/ 2g

・鱈 30g

・マグロ 10g

・オートミール 5g

・長いも 10g

・小松菜 5g

・パプリカ 5g

・マイタケ 5g

・白ゴマ 0.5g

・あおさ 少々

・牛乳(ミルク類) 40ml

・オリーブオイル 小さじ1/2

※上記のレシピは体重4kg成犬の半日分の分量です。適量を与えてください。

なお、ミルクは(犬用ミルク、ヤギミルクなど愛犬に合わせて変更してください)

 

カロリー(材料全量):約150kcal

 

 

■作り方

①鱈とマグロは食べやすい大きさ(写真では約1.5㎝角ほど)、小松菜、マイタケはみじん切りに、パプリカは細切りに。長いもはすりおろします。

②小鍋に牛乳、水100ml(分量外)、野菜フレーク、鱈の半分量を入れて加熱し、鱈に火が通ったら火を止めて冷まします。

③フライパンにオリーブオイルをひき、残りの鱈、マグロ、小松菜、マイタケ、パプリカを炒めます。

炒めた小松菜とマイタケは②の鍋に加えます。残りの鱈・マグロ・パプリカはトッピングとして盛りつけます。最後にすった白ゴマとあおさをふれば出来上がりです。

 

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、体重4㎏の成犬(避妊・去勢済み)の半日分の分量で、カロリーは少し高めです。低カロリーにしたい場合は、牛乳を小さじ1に減らしたり、パプリカの代わりにトマトにしてもいいでしょう。

作り方のアレンジでは、すべての材料を鍋で煮て、フライパンで炒めるのを省いても作ることができます。オリーブオイルを使わない分、カロリーオフにもなります。

おすすめとしては、小松菜やパプリカなど、緑黄色野菜のβカロテンは脂溶性なのでオイルと一緒に摂ると吸収率が高まります。
また、マイタケやお魚もオイルで炒めることでより香ばしく食欲をそそります。食欲旺盛でカロリーを抑えたい愛犬の場合は、すべて煮る方法で作ってみてください。

さいごに

今回のレシピは、夏の終わりの胃腸疲れを労ったり、シニア犬の食べやすさにも配慮できます。本格的な秋を迎える前にお腹の調子を整えて元気を保ち、おいしい秋の味覚をより楽しみにしたいものですね。

ぜひ、愛犬の好みに合わせてアレンジを楽しみながら作ってみてください。

https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

暑さが本格化する8月は、愛犬の体も内側から元気をチャージしたい時期です。
薬膳の考えでも、「夏バテ予防」や「水分の巡りを整える」食材をうまく取り入れることが大切とされています。

今回ご紹介するレシピは、そんな考えをヒントにした、夏の野菜と豚肉をバランスよく組み合わせた一皿。

しっかり栄養をとりながら、かぼちゃの甘みやごまの香ばしさで、食欲が落ちやすい時期でも美味しく食べられるよう工夫しました。
トッピングにも主食にもなる、使いやすい夏レシピです!

今回は、豚肉とゴーヤの夏野菜ミックスの素材の役割やレシピについて、ペット栄養管理士の山本がご紹介します。

 

ゴーヤと豚肉、夏にうれしい薬膳の知恵

◆ ゴーヤ:夏の熱をクールダウン

独特の苦味があるゴーヤは、薬膳では「清熱(熱を冷ます)」や「利水(体の余分な水分を流す)」とされる夏にぴったりの野菜。

ビタミンCやポリフェノールも含まれ、体調を崩しやすい時期のサポートに役立ちます。

苦味が気になる場合は、さっと茹でて炒めることで食べやすくなります。

 

◆ 豚肉:夏バテに負けない“気”の補い役

豚肉は薬膳で「気(エネルギー)」と「血」を補う食材とされ、夏の疲労回復におすすめ。

たんぱく質やビタミンB群が豊富で、暑さで食欲が落ちたときにも、無理なく栄養をとることができます。

 

今回は脂身の少ないモモ肉を使用し、ヘルシーに仕上げました。脂質も大切な栄養素ですが、暑さで胃腸が疲れ気味になっていると感じたら、できるだけ低脂肪にするのもケアのひとつになります。

愛犬用豚肉とゴーヤの夏野菜ミックスのレシピ

■材料

・野菜フレーク かぼちゃ https://petpro.jp/product_1006/ 大さじ1

・豚肉(モモ肉) 30g

・ゴーヤ 5g

・ピーマン 5g

・ミニトマト 1

・キュウリ 3g

・ちりめんじゃこ 1g

・白ゴマ 1g

・オリーブオイル 小さじ1

※上記のレシピは体重4kg成犬の1/3日分のカロリー相当量です。

1食分または、トッピングとして適量を与えてください。

 

カロリー(全量):およそ110kcal(材料全量)

 

 

■作り方

①豚肉と野菜は食べやすいよう、それぞれ細かく切っておきます。写真の野菜の長さは2~3㎝ほどです。

②小鍋にゴーヤとちりめんじゃこ、水200㏄ほど入れて茹でます。ゴーヤに軽く火が通ったくらいでOKです。ちりめんじゃこの塩抜きを兼ねた下茹でです。

③フライパンにオリーブオイルをひき、豚肉、ピーマン、②のゴーヤ、ちりめんじゃこを入れて炒めます。

④かぼちゃフレークは大さじ1の水と混ぜ、白ゴマをすります。③とトマト、キュウリ、かぼちゃフレークを乗せて、最後に白ゴマをふったら出来上がり。

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、体重4㎏の成犬(避妊・去勢済み)の1/3日分相当のカロリーです。そのまま1食分としても、トッピングとして適量ずつ主食のフードに混ぜてもいいでしょう。

・トッピングの場合
主食(総合栄養食)を3~4割減らして、このレシピを混ぜるとカロリー調整がしやすく、味の変化で食欲アップも期待できます。

 

・初めての食材がある場合
まず1/4量からスタートし、2~3日かけて量を増やしてください。

 

・ダイエット中

オリーブオイルで炒めず、茹でると約40kcalオフになります。

 

・水分アップアレンジ

かぼちゃフレークに混ぜる水の量を少し多めにして全体に和えると、食べやすくなり、水分補給にも役立ちます。

 

・夏バテ気味の食欲不振対策

出来上がりをブレンダーなどでペースト状にし、主食にウェットフードのようにかけてトッピングするのもおすすめです。水分量はお好みで食べやすいとろみになるよう小さじ1ずつ増やすなど調整してください。

さいごに

ゴーヤは苦いから食べないのでは?と思いがちですが、意外と多くの犬が平気で食べてくれます。今回のように甘みのあるかぼちゃフレークを混ぜるとさらに食べやすくなるので試してみてください。

私たちも愛犬たちも旬の野菜を取り入れて、暑さがきびしい日々を少しでも健やかに過ごせるといいですね。

https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

夏は、外の暑さと室内の冷房との温度差が大きくなりがちです。それで体調を崩さないように注意したいものですね。特に老犬では、夏場の食欲低下をできるだけ防ぎたいところですね。

病気や症状によっては、獣医師から指定のものしか与えてはいけないことが多くなりますが、食べないよりは、何か食べられるものを探して与えるようにと言われることもあります。

暑い時期には、ひんやりとした口当たりのものが食欲をそそり、食べることをサポートできるケースがあります。

今回は、ひんやり・さっぱり、それでいて胃にやさしいミルクゼリーのレシピや与え方についてペット栄養管理士の山本が説明します。

犬にゼラチンを与えてもいい?

ゼラチンは牛や豚のコラーゲンから作られた天然のタンパク質ですので、適量であれば問題なく愛犬に与えることができます。化学的な添加物ではない点でもおやつやごはんに使いやすい素材です。

 

ゼラチンを使う主なメリットは次の3つです。

・皮膚・被毛、関節の健康サポート

・低カロリー

・水分補給

 

コラーゲンは、皮膚・被毛、また関節成分の材料になるものです。もちろんお肉からでも摂れますが、ゼラチンになっている段階で消化にやさしい素材と言えます。

 

また、ゼリーに使用する量は、わずか5g です。愛犬が食べやすいように今回は少し多めの使用とはいえ、17kcalしかありません。今回のように鶏ささみや野菜と一緒に与えるなど、おやつはもちろん、ごはんの一部として利用しやすいです。

愛犬用ミルクゼリーのレシピ

■材料

・ミルク(ヤギミルク、牛乳、豆乳のいずれか) 120CC

・野菜フレーク とうもろこし https://petpro.jp/product_1007/ 6g

・鶏ささみ 20g

・トマト 15g

・ミニアスパラ 1本

・リンゴ 少量

・ゼラチン粉 5g

・湯(ゼラチンを溶かすため80℃) 50cc

・ミントの葉(無くても良い)

 

※上記のレシピは作りやすい分量(ゼリーは3個分)です。

出来上がり写真は、ゼリー1個分、そのほかの材料は全量で盛りつけています。
与える際は適量を意識してください。

カロリー(全量):およそ100kcal(材料全量)

 

■作り方

①ミニアスパラガスと鶏ささみを食べやすい大きさに小さく切ります。水100CC(分量外)を小鍋に入れて茹でます。鶏ささみに火が通ったら火を止めて冷まします。ミニトマトとリンゴは仕上げ前に切るといいでしょう。

②ミルクと野菜フレークをよく混ぜておきます。

ゼラチン粉は、80℃に温めたお湯(沸騰させてから少し置いたものを使うなど)で、溶いておきます。

※湯の温度が低すぎる(入浴できるような温度のイメージ)、または沸騰しているような状態ではゼリーが固まらない場合があるので注意してください。ゼラチンの箱に説明が書かれていますので、その通りにご使用ください。

③②のミルクと溶かしたゼラチンをよく混ぜて器に入れます。今回は小さなガラスコップに3つに分けて入れました。(シリコンカップなどでもいいでしょう)

あとで、そのまま取り出したい場合は、薄くサラダ油を塗っておくときれいに取り出せます。

冷蔵庫で2~3時間くらい冷やしたら出来上がり。

①の鶏ささみ、ミニアスパラガス、みじん切りにしたトマトや薄切りリンゴ、ミントの葉を添えたら出来上がり。

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、ゼリーは3個できます。ゼリー全量のカロリーは65kcalほどです。

体重4kg成犬で考えますと、1日のおやつとしては、ゼリー1個分が目安です。

さらに鶏ささみや野菜、果物も加えていますので、一日の食事量から1~2割ほど減らした代わりに与えるといいでしょう。(通常なら1割減らし、ダイエット時なら2割減らすのが目安です)

ミルクはカロリーが気になる場合は、水で薄めてもいいでしょう。ご参考までに、低脂肪牛乳と豆乳はほぼ同等のカロリーです。少しでも脂肪を控えたい場合に選ぶといいでしょう。また無糖のヨーグルトにするなど、アレンジも可能です。

さいごに

暑い夏を乗り切るためには、愛犬の食欲をいかに維持するかが大切です。ひんやりしたミルクゼリーは、食欲が落ちがちな時期にも食べやすく、水分補給にもなります。

ゼラチンのコラーゲンは皮膚・被毛や関節成分を作る材料にもなるうえ、低カロリーなのでダイエット中の愛犬にもおすすめです。 鶏ささみや野菜をトッピングすることで、栄養バランスも整えられます。愛犬の好みに合わせて、具材をアレンジしてみてくださいね。

ただし、体調に不安がある場合や、普段と違う症状が見られる場合は、まず獣医師にご相談ください。愛犬が元気に夏を過ごせるよう、手作りおやつで応援してあげませんか。

https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

じめじめした空気に包まれる梅雨の季節。湿度が高くなるこの時期は、人も動物も「体に湿気がたまりやすい」といわれています。また、特に感情の発散が苦手な性格に多いのが体の中に熱をためやすいことです。この時期の皮膚の不調には、湿気や体内の余分な熱が悪さをしていることがあります。

今回は、そんな季節にぴったりの“さっぱり整う”ごはんをペット栄養管理士の山本がご紹介します。

じめじめ季節の体調サポートには

梅雨どきの6月は、中医学でいう「湿邪(しつじゃ)」が強くなる季節。
この湿気は体内に入りこむと、消化力(脾のはたらき※)を弱めるだけでなく、熱と結びついて「湿熱(しつねつ)」となり、皮膚のトラブルにつながることもあります。

今回のレシピは、そんな時期にぴったりの「湿」と「熱」をゆるやかに発散し、体の中から巡りを整える一皿です。

・豚肉は気血を補いながらも、こもった熱をやわらげる性質があり、疲労回復にも役立ちます。

・オクラさつまいもは「脾」を助けて余分な湿を排出し、お腹の調子をサポート。

・オートミールはエネルギー源になりつつ、消化にもやさしい穀物。

さらに、大根おろしシソの葉を合わせた香り高いトッピングには、

・気の巡りを整え、熱を発散させる

・皮膚のもやっと感(赤み、かゆみ)を予防し、さっぱりと整える
というサポートの意味も込めています。

辛味がやや強い大根おろしは、とうもろこしフレークを混ぜて甘みと穏やかさをプラス。
仕上げに数秒レンジで加熱することで、辛味を和らげ、よりマイルドに整えました。

じめじめした空気に負けず、皮膚も内臓も「こもらない」食事で、気持ちよく季節を乗り切るサポートができるといいですね。

※中医学の脾は、西洋医学の脾臓の働きとは異なります。

愛犬用豚肉と大根おろしの養生ごはんレシピ

■材料

 

・野菜フレーク とうもろこし https://petpro.jp/product_1007/ 3g

・豚肉(肩ロースorモモ肉) 80g

・大根おろし 30g分

・サツマイモ 20g

・オートミール 10g

・オクラ 1本

・パプリカ 10g

・紫蘇葉 1枚

・乾燥小魚(イワシ) 2匹

 

※上記のレシピは体重4kg成犬の1日分のカロリー相当量(控えめ)です。

与える際は愛犬に合った適量を与えて下さい。

 

カロリー(全量):およそ290kcal(材料全量)

 

 

■作り方

①豚肉はこま切れに、オクラ、サツマイモは2~3㎜の薄さに、パプリカは細かくみじん切りにします。

②鍋に水100cc(分量外)、豚肉、パプリカ、オートミールを入れて火にかけます。炒め煮のように中火で混ぜながら熱し、豚肉に十分に加熱できたら火を止めます。

③さつまいもとオクラは耐熱容器に水100cc(分量外)を一緒に入れて電子レンジ600Wで2分ほど加熱し、水気を切っておきます。(サツマイモが柔らかく火が通るまで加熱します)

④大根おろしと紫蘇葉と野菜フレークを混ぜる。(大根おろしの水分量が少ない場合は、水を小さじ1ずつ足して混ぜてください)

器に②③を盛り、大根おろしをトッピング、小魚をほぐしてちらしたら出来上がり。

 

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、体重4㎏の成犬(避妊・去勢済み)の1日分としては控えめのカロリーです。雨でお散歩が休みがちになるときや、水分豊富なトッピングのひとつとして利用してください。紫蘇葉の香りは湿気で滞りがちな体内の気の流れを整え、胃腸の働きのサポートに役立ちます。苦手な場合は、少しずつ働きは違うもののバジルやミント、パセリなどを少量代用してもいいでしょう。

また大根おろしの香りや食感が苦手な場合は、大根を細かく刻んで、他の具材と一緒に炒め煮にしても大丈夫です。大根は中医学でも「気の巡りをよくし、消化を助ける」とされる食材なので、形を変えてでも取り入れるのはおすすめです。

加熱することで辛味が和らぎ、ほんのり甘みも感じられるので、食べやすくなります。野菜フレーク とうもろこしは最後にふりかけても炒め煮に入れてしまってもいいでしょう。甘みをプラスして野菜をさらに食べやすくしてくれます。

さいごに

ひとつの鍋で一気に作るレシピではないので、少し面倒な気がするかもしれません。そんな時こそ丁寧さにチャレンジする機会でもあり、また多めに作って冷凍すれば時短にもなります。また手作り食はその1食で完全さを狙うものでもありません。

特に雨が多い時期は「なんとなく不調」が出やすいものですが、ごはんから整えることで大きな不調を防ぐことができます。もちろん、ごはん以外のケアも大切に。晴れた日は思い切り散歩を楽しんで体を動かすようにしてくださいね。

https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

今回ご紹介するのは、春の陽ざしが強まってくるこの時期にぴったりの、緑鮮やかな野菜と、脂質が控えめで良質なタンパク源である鶏ささみを使った、見た目も栄養もバランスの良い一品です。

ブロッコリーやアスパラガスなどの色とりどりの野菜は、ただ彩りを添えるだけでなく、抗酸化作用や水分代謝をサポートする栄養素も豊富。季節の変わり目にも体にやさしいレシピとして活用いただけます。

野菜の魅力や与えるときのポイントも含めて、ペット栄養管理士の山本が解説します。ぜひ、おうちの愛犬にも季節の恵みを感じるごはんとして、お試しくださいね。

色鮮やかな野菜とクリルオイルのメリット

日差しが強くなり始めると紫外線によるダメージが気になります。また気温上昇でも体調を崩さないためには、水分摂取を意識するなど体の内側からのケアも大事になってきます。

今回のレシピでは、ブロッコリー・ズッキーニ・アスパラガスといった緑の野菜に、にんじんフレークで作ったやさしい甘さのソースをかけました。

🟩 緑の野菜の魅力

今回使用したブロッコリー、ズッキーニ、アスパラガスには、見た目の鮮やかさだけでなく、健康をサポートする栄養素がたっぷり含まれています。

・ブロッコリー:抗酸化作用のあるスルフォラファンやビタミンCが豊富。免疫サポートに◎

・ズッキーニ:水分が多く、消化にもやさしい。βカロテンも豊富です。

・アスパラガス:アスパラギン酸で疲労回復サポート。

これらの野菜に共通しているのは、カリウムが豊富なこと。カリウムは、体内の余分な水分や老廃物の排出をサポートしてくれるミネラルです。

気温がぐんぐん上がるこれからの季節は、水分補給が大切ですが、古い水分を体外に出し、新しい水分と入れ替えることも理想的。そのサポート役として、カリウムの多い野菜はおすすめです。

 

🧡 にんじんソースで目や皮膚の健康維持

にんじんにはβカロテンが豊富に含まれており、体内でビタミンAに変換されて利用されます。ビタミンAは、主に目や皮膚、粘膜の健康維持に役立ち、これらは外部環境から体を守るバリア機能を担っています。

特に春から夏にかけては紫外線が強まり、皮膚や目への負担も増える時期。こうした季節の変化には、食べ物からのケアも取り入れてあげたいですね。

 

💧あったら加えたいクリルオイル

さらに、もしご自宅にクリルオイル(オキアミ由来のオメガ3脂肪酸)などがあれば、ほんの少し加えるのもおすすめです。野菜に含まれる脂溶性ビタミンの吸収率を高めてくれたり、オイルそのものにも、皮膚や被毛の健康をサポートしてくれる働きが期待できます。

愛犬用ささみと彩野菜レシピ

■材料

 

・野菜フレーク にんじん https://petpro.jp/product_1008/ 3g

・ささみ 50g

・ブロッコリー 20g

・アスパラガス 10g

・ズッキーニ 10g

・オートミール 20g

・すりゴマ 1g

・クリルオイルカプセル 1粒(あれば)

 

※上記のレシピは体重4kg成犬の半日分のカロリー(およびタンパク質量)相当量です。与える際は愛犬の適量を与えましょう。

カロリー(全量):およそ150kcal(材料全量)

 

 

■作り方

①小鍋に水300cc(分量外)とささみを入れて火にかけます。沸騰したら中火にして5分ほどでしたら火を止め、ささみを取り出します(ささみの太さによっても変わるため、火が通ったかどうかささみをほぐして確認してください)煮汁は使うのでそのまま置いておきます。

②野菜を切ります。野菜を食べなれてない愛犬の場合は、できるだけ細かく切るといいでしょう。

③①の煮汁をオートミールに大さじ5杯、にんじんフレークに大さじ3杯加えてふやかします。

④①の鍋に③の野菜を入れて火をかけ、やわらかくなるまで煮ます。

器にオートミール、ほぐしたささみ、茹でた野菜を盛り、③のにんじんフレークをよく混ぜてからかけます。最後にすりゴマとクリルオイル(あれば)を垂らしたら出来上がり。

 

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピは、体重4㎏の半日分の平均的なカロリー量(およびタンパク質量)で作っています。脂質はトッピングのクリルオイルの微量なものくらいなので、若くて活発なタイプの子には少し物足りないことも。

そんな場合は、野菜をオリーブオイルなどで軽く炒めたり、オートミールの代わりに白米を使用したりすることで、自然なかたちでカロリーアップができます。

また、主菜のささみを豚バラ肉や鶏モモ肉に置き換える方法もありますが、ささみと同じ重量ではタンパク質がやや不足しがちです。目安としては、豚バラ肉ならささみの約1.6倍、鶏モモ肉なら約1.2倍の量が必要になります。全量を一度に置き換えるのではなく、ささみの一部を脂の多い部位に変えて様子を見る方法がおすすめです。

体格や体調、活動量に応じて調整してあげてくださいね。

さいごに

気温が上がってくると、愛犬たちもなんだか元気に動きたくなるようですね。私自身も、少しずつ散歩の時間を長くするようになってきました。

余談ですが、散歩が長くなるにつれ気になるのは、自分のお肌への紫外線ダメージ。最近は、ビタミンCを朝と昼に分けてこまめに摂るようにしており、イチゴやキウイ、パイナップルなどを意識して食べています。
ちなみに柑橘類には“紫外線と反応しやすい成分(ソラレンなど)”が含まれるため、摂るなら夜が安心と言われています。

こうして栄養について少しずつ知ることで、愛犬にも自分にも、毎日できる工夫が増えていきます。今回の内容が、みなさんと愛犬との暮らしに少しでも役立てばうれしいです。

https://petpro.jp/wp-content/uploads/2021/09/blog_kisya03_img.jpg
山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

牡蠣には自然食材で摂り入れることが難しい「亜鉛」が豊富です。真牡蠣は寒い時期が旬ですが4月まではおいしく食べられますので貴重な栄養素を愛犬にもぜひ与えたいものです。といっても、肉の代わりに牡蠣をたっぷりというのは、食べなれない食材という点でも不安要素がありますから、豚肉など別の肉類と一緒に牡蠣を少し加えるという与え方がいいでしょう。

今回ご紹介するレシピは、お好み焼きの具材として牡蠣を使いました。牡蠣を与えるときの注意を含めて、ペット栄養管理士の山本が作り方を説明します。ぜひ参考になさってください。

犬に牡蠣を与えても大丈夫?

牡蠣は、犬にとっても栄養価の高い食材のひとつです。特に、自然の食材から摂取しにくい「亜鉛」が豊富に含まれており、免疫力の維持や皮膚・被毛の健康をサポートします。また、鉄分やビタミンB12も含まれており、貧血予防やエネルギー代謝の向上にも役立ちます。

ただし、与え方には注意が必要です。犬の食性として貝類をたくさん食べるということはありません。また、生の牡蠣には細菌やウイルスが含まれている可能性があるため、愛犬に与える際には必ず十分に加熱しましょう。加熱することで食中毒のリスクを減らし、安全に与えることができます。

牡蠣をスーパーなどで販売されているものは、生食用と加熱用の2種類があります。それぞれの特徴として、生食用は浄化処理が施されているため、細菌数が抑えられた状態で販売されています。風味は薄くなる傾向があります。一方、加熱用は浄化処理を行わないため、風味がしっかりしていますが、生では食べられません。また、どちらも常温で放置すると食中毒の原因となる菌が増えるのは同じです。生肉の取り扱いと同様に注意しましょう。切る直前まで冷蔵庫に入れておく。切ったらすぐに加熱調理しましょう。

また、牡蠣は貝類の中でも比較的柔らかい肉質ですが、初めて与える際は少量から試し、体調に問題がないか様子を見てください。特に胃腸が弱い子やアレルギーの可能性がある場合は、注意してください。

愛犬用牡蠣のお好み焼きレシピ

■材料

 

・野菜フレーク じゃがいも https://petpro.jp/post-16861/ 5g

・豚モモ肉(脂身は少し除く) 30g

・牡蠣 1/2個

・レンコン 20g

・キャベツ 13g

・ホウレンソウ 7g

・乾燥小魚(イワシ) 2

・太白ゴマ油(植物油など) 小さじ1/2

・イチゴ 1/3個

 

※上記のレシピは体重4kg成犬の1/3日分のカロリー相当量(たっぷりめ)です。

与える際は愛犬に合った適量を与えて下さい。

 

カロリー(全量):およそ120kcal(材料全量)

 

 

 

■作り方

①キャベツは線切り、豚肉・牡蠣・ホウレンソウは粗みじん切り、ホウレンソウは切ったあとに水につけておきます。レンコンはすりおろします。

※牡蠣や豚肉は常温で放置しないように注意してください。

②ホウレンソウを絞って水気を切り、①の材料とじゃがいもフレークと乾燥小魚を手で細かくつぶして一緒に混ぜます。

③フライパンに油をひいて、豚肉と牡蠣をしっかり炒め、上に②を乗せて焼きます。すぐに焼けるので弱火で形を整えながら焼いてください。4等分を目安に分けて焼くといいでしょう。

冷ましてイチゴを添えたら出来上がりです。

 

 

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、タンパク質量を体重4㎏の1/3日分の量ですが、カロリーは比較的多めです。カロリーを減らしたい場合は、豚肉の脂身を多めに取り除いたり、豚ヒレ肉を使ったり、炒める際の油をごく少量にする工夫をしたり、一日分の食事量の中で調整してください。

こげつきにくいフライパンやフライパンに敷いてこげつきにくくするアルミシートの利用、またはクッキングシートを使ってオーブンで焼いてもいいでしょう。

特に今回は粉類を使っていないので焼き固めるのが少し難しいです。カロリーは少し増えますが、小麦粉や片栗粉を振り入れると焼きやすくなります。

牡蠣が手に入りにくい場合は、鶏レバーなどをほんの少量使うのもおすすめです。牡蠣ほど豊富ではありませんが、鶏レバーにも亜鉛が含まれています。牡蠣と鶏レバーは、どちらも鉄分や亜鉛、ビタミンB群が豊富なので栄養価では似た特徴を持っています。何より愛犬たちが好物の素材でもあるので、犬用商品でも数多く販売されています。手軽な鶏レバーを使ってお好み焼きにトッピングしてもいいですね。

さいごに

牡蠣を正しく調理すると貴重な亜鉛が摂れます。最近では乾燥した牡蠣のおやつやふりかけの商品も出てきましたが、旬の新鮮な素材を使うのが手作りの楽しみのひとつです。おいしい時期の牡蠣を使っていろいろアレンジしてみてくださいね。

辰野真理子(ペット家族動物病院西五反田店 院長)

排尿は生きていくうえで欠かせない活動です。排尿時にトラブルがあると生活の質も下がってしまいますよね。

今回はネコちゃんのおしっこトラブルの予防に関してご紹介いたします。

 Index

下部尿路の病気とは?

膀胱と尿道をあわせて「下部尿路」といいます。ネコちゃんはこの部分の病気が比較的多く、まとめて「下部尿路疾患」と呼ばれています。代表的なのは特発性膀胱炎や尿路結石で、ときには命に関わることもあるため、日ごろの予防がとても大切です。

 

飼い主さんが気づきやすいサインとしては、

 

・トイレに何度も行くのに少ししかおしっこが出ない

・血が混じった尿が出る

・トイレ以外の場所でおしっこしてしまう

・苦しそうに鳴く

 

などがあります。こうした様子が見られたら、できるだけ早く動物病院に相談してください。

 

 

【特発性膀胱炎】

1~10歳の猫の下部尿路疾患の中で、約6割を占めるといわれています。原因がはっきりしないことが多く、自然に回復するケースもありますが、再発を繰り返すこともあります。

特に関係しているのがストレスです。気候の変化、来客、ほかの猫との関係、トイレ環境など、さまざまな要因が影響します。繊細で不安になりやすいネコちゃんは注意が必要です。

 

日常でできる工夫としては、

・できるだけ静かで落ち着ける生活環境を整える

・トイレの数や清潔さを保つ

・ストレスをやわらげる成分(GABA、L-トリプトファン、ミルクプロテインなど)を含むフードやサプリメントを取り入れる

といった方法があります。

 

おすすめ商品

MediMousse メディムース 猫用 Calmサポート⇒ https://vetslabo.com/products/21940/

 

【尿路結石】

膀胱や腎臓に石ができてしまう病気で、下部尿路疾患のネコちゃんの内、約20%が発症しています。石が尿道に詰まってしまうとおしっこが出せなくなり、命にかかわることがあります。ミネラル成分の摂取量やバランスが崩れ、おしっこのpHが酸性やアルカリ性に傾くことで石ができやすくなります。

雄ネコちゃんは雌ネコちゃんに比べて尿道が細長いため、詰まりやすく、より管理に気をつけなければなりません。また、水をあまり飲まないネコちゃんは、長時間おしっこが膀胱内に留まる為、石ができやすくなってしまうので注意が必要です。

日々の予防としては、ミネラルバランスに配慮した食事をあげ続けることが大切です。

しかし、お食事だけでの管理は難しく、再発し易い病気のため、飲水量を増やしておしっこを沢山出してもらえるとなお良いでしょう。お食事や捕食の水分量を増やすためにも缶詰やスープをあげることや、ネコちゃんによって好きな水の飲み方も異なるので、複数の水飲み場を設置してみることもお勧めです。

 

予防のポイントは、

・ミネラルバランスに配慮した食事を続けること

・飲水量を増やす工夫(ウェットフードやスープを取り入れる、複数の場所に水を置く、好みに合った水飲み場を見つける)

・ストレスの少ないトイレ環境を整える

 

おすすめ商品

Cherie チキン&かぼちゃinグレービー 下部尿路の健康維持成猫用80g⇒ https://petpro.jp/post-25797/

Cherie まぐろ&にんじんinグレービー 下部尿路の健康維持成猫用80g⇒ https://petpro.jp/post-25808/

 

トイレ環境が合わないと猫ちゃんは排尿を我慢してしまい、病気の悪化や再発につながることもあります。基本のポイントは次のとおりです。

 

ストレスの少ないトイレ環境とは

トイレ環境が好ましくないと、トイレを我慢してしまい、症状が改善しない、再発しやすいなどが起こる可能性が考えられます。

設置場所:人通りが少なく落ち着けるところ

トイレの大きさ:体長(首の付け根~しっぽの付け根)の1.5倍以上

数:猫の頭数+1個が目安

猫砂:猫ちゃんの好みに合わせる(鉱物系を好む子が多いです)

おすすめ商品

オードロックMaxCare⇒ https://x.gd/LirZj

※8秒でがっちり固まる&アンモニアの発生をブロックする特許技術で、40日間消臭効果が持続する猫砂です。尿中の血液とグルコースを検出すると色が変化する鉱物砂付き。

 

また、汚れたトイレは猫ちゃんが使いたがらないので、こまめに掃除してあげましょう。

 

 

まとめ

猫の下部尿路疾患は、頻尿や血尿などで気づかれることが多く、ときには命にかかわります。

「おしっこが出ていない」「トイレで苦しそうに鳴く」「ぐったりしている」など気になる症状があれば、迷わず早めに動物病院へ相談してください。

 

そして、食事・飲水量・生活環境の工夫で、猫ちゃんの健やかな毎日を守ってあげましょう。

 

木鋪絵美奈(ペット家族動物病院成城店、杉並店 副院長)

腸は第二の脳と呼ばれる程、重要な役割を担っていることをご存じでしたか?

近年、腸内細菌叢がさまざまな疾患と関連しているという研究が増加しており、重要性が注目されています。

今回はワンちゃんネコちゃんの腸活についてお話致します。

 

 Index

腸活とは

腸活とは、腸内環境をより良い状態にするための活動のことです。腸内環境が良い状態とは、腸内細菌の数・質のバランスがとれている状態を指します。

ざっくり言うと、お腹の菌のバランスを整えましょう!ということです。

 

〇〇バイオティクスという言葉、耳にしたことはございますか?

腸活でよく使われる言葉で、腸活を始めるにあたって大切な言葉です。

ここでは、今、注目されている〇〇バイオティクスに関連した言葉を5つ簡単に紹介します。

 

プレバイオティクス:微生物のごはん(食物繊維など)

プロバイオティクス:微生物(乳酸菌など)

ポストバイオティクス:微生物によってできるもの(短鎖脂肪酸、ポリフェノールなど)

シンバイオティクス:プレバイオティクスとプロバイオティクスを合わせたもの

バイオジェニックス:有益な影響を及ぼす微生物由来の成分(生理活性ペプチド、植物フラボノイドなど)

 

どれも名前が似ていて混乱しやすいですよね。

しかし、働き方がそれぞれ違うので、この中から1つだけを行うより、2つ以上組み合わせることによってより良い効果が得られるとされています。

腸内細菌叢について

腸内細菌叢とは…

善玉菌や悪玉菌などの何十億の細菌と微生物からなる個々の犬猫特有の腸内生態系のこと。

 

腸内の善玉菌の主な働きは

腸内のpHを下げることで悪玉菌の増殖を抑え、体に有用な物質を作り、腸の細胞に栄養を与えて正常な腸の機能を保つことです。

基礎代謝をあげる作用

免疫力をあげる作用

整腸作用

 

このような働きを持つ善玉菌の数や種類が減ってしまい、悪玉菌が増えてしまった状態を「腸内細菌叢が乱れている」と言います。

このようになってしまうと、便秘や下痢、基礎代謝が下がることによる肥満・倦怠感、免疫力低下による皮膚トラブル・がんを引き起こす可能性があります。

このようなトラブルを避けるための助けとなるのが・・・

そう、腸活です!

 

腸活のススメ

では、実際にどのようなものを取り入れたらいいのでしょうか?

実はネコちゃん、ワンちゃんでそれぞれ適した腸活方法があります。

 

【ネコちゃん】

ネコちゃんは肉食性で効率的にタンパク質を消化・吸収し、栄養を吸収できるので小腸は短いです。また、食物繊維の消化が苦手なため、大腸も短いです。

肉を主に消化するため、腸内細菌に頼る必要はなく、繊維をあまり消化しないため、発酵の必要性が低く、小腸・大腸ともに細菌が少ないです。

ネコちゃんは動物性タンパク質の代謝に依存しているおり、腸内のpHが下がりすぎると腸にダメージを与えてしまいます。

つまり、ネコちゃんの場合は、過剰な善玉菌がかえって悪影響を及ぼすことがあるのです。

ネコちゃんの腸活には、適度なプロバイオティクスと動物性タンパク質の摂取が良いでしょう!

プロバイオティクスのおすすめ商品

・フローズンヨーグルト チーズ ⇒ https://petpro.jp/post-22053/

・フローズンヨーグルト プレーン ⇒ https://petpro.jp/post-22047/

北海道産の牛乳を使用し、1gあたり約6億個の乳酸菌が入ったワンちゃん・ネコちゃん用のフローズンヨーグルト。

脂肪分が低めなので体重が気になる子にも安心して与えられる腸活おやつです。

【ワンちゃん】

ワンちゃんは雑食性で炭水化物も消化するため、小腸が長めで小腸内・大腸内に細菌数が多く、小腸内の細菌数は猫の約10倍、大腸内の細菌数も猫の約10倍なのです。

炭水化物や繊維をごはんとする細菌が多く、大腸で発酵を行い食物繊維の一部をエネルギー源として利用しています。

つまり、善玉菌の量・質、善玉菌が作る有益な成分が腸活のポイントとなります。

ワンちゃんの腸活には、プレバイオティクス、プロバイオティクス、バイオジェニックスを取り入れるのが良いでしょう!

プロバイオティクスのおすすめ商品

メディサプリ ⇒ https://vetslabo.com/lineup/medisuppli

ほんのり甘い液状のサプリメント。胃や腸で消化されずに、大腸まで届いて効果を発揮します。

 

まとめ

ワンちゃん、ネコちゃんともに腸内細菌叢は十人十色です。そのため、どのような腸活方法・成分が合うかはみんな異なります。

間違った方法、成分や量が合わなければ、かえって体調を崩してしまったり、全く効果が感じられなかったりすることがあります。

腸活を行う際は、しっかりと体調をチェックし、少しでもいつもと違う様子が認められた場合はすぐに動物病院を受診しましょう。