「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
野菜の役割
犬の姿や歯の形を見ると肉食動物だと思いがちですが、実は肉食寄りの雑食動物です。
犬は古くからヒトと一緒に暮らしてきたので食事をヒトから分け与えられることで、完全肉食から雑食へと進化したようです。このことは唾液の成分や腸の長さからも証明されています。
ちなみに猫や犬の祖先であるオオカミは完全肉食動物。ですが獲物の肉(筋肉)だけではなく内臓も一緒に食べます。この内臓には獲物が食べていた植物が含まれ、肉だけでは足りない繊維質やビタミン・ミネラルを補っています。キャットフードにも野菜が使われています。そして犬は猫よりも多くの野菜が必要です。
特に愛犬に野菜を与えることは、健康維持に必要な水分や機能性成分を得られることが大きなメリットです。といっても、犬に与えてはいけない野菜もありますし、これまで野菜を食べたことがない犬にいきなり与えると嫌がってしまうこともありますので最低限のルールは知っておきましょう。
犬に与えてはいけない野菜
ネギ類
玉ネギ、長ネギ、ニラなどネギの仲間はすべて与えられません。中毒症状を起こすと重篤になるケースが多いです。成分は煮汁にも含まれるので、汁だけ与えるのもダメです。ネギ類は決して与えない様に注意しましょう。
硬いもの
野菜の皮や筋など、硬いものは与えないでください。消化できずに胃腸不良を起こすことがあります。
犬に与えやすい野菜
犬たちに与えやすい野菜とその機能性成分をご紹介します。
青梗菜や小松菜、トマト、ブロッコリー、ニンジン
緑や赤い色素には過剰な活性酸素(老化に関わる物質)を除去する抗酸化物質が豊富。
大根、白菜
水分豊富な野菜であり、また体の中の余分な水分を出すのにも役立ちます。ボリュームも出るのでダイエット時にも良いですよ。
カボチャ、サツマイモ
甘みがあり、犬たちにも大人気。抗酸化物質も豊富です。
野菜の調理方法と与え方
犬は雑食といっても生野菜の消化は苦手。よほど食べ慣れているとかお腹が強い子以外は避けた方が良いでしょう。それに野菜の硬い細胞壁の中に栄養素が入っています。細かく刻み、煮るなど柔らかくして与えましょう。煮汁の中にも栄養素が出ていますので、灰汁を取り除いた煮汁も一緒に与えることがおすすめです。
お腹が弱い愛犬にはさらにジューサーやブレンダーを使って液状にすると良いでしょう。一度にまとめて作り小分け冷凍で保存しておくと便利ですよ。(冷凍野菜の賞味期限は3週間以内)
野菜だけでは食べない場合は肉を茹でたときの茹で汁を使ったり、ミンチ肉を少量一緒に茹でたりしてみてくださいね。
<参考例>
(材料)
・小松菜70g
・大根70g
・鶏ミンチ肉 小さじ2
鍋に400ccの水を入れて材料すべてを一緒に茹でたものです。
写真は、ドライフードに小さじ2杯分のトッピング。煮汁をさらに少し加えました。
主食のドッグフードにトッピングする場合の目安量
はじめて与えるとき
・小型犬…1食につき小さじ1杯くらい
・中型犬…1食につき大さじ1杯くらい
食べ慣れたとき
・小型犬…1食につき小さじ5杯以下
・中型犬なら大さじ5杯以下
量を増やす際は、うんちの状態をみながら調整してくださいね。肉・魚も一緒に与える場合や糖質の多いカボチャやサツマイモをたくさん与えると太ってしまいますので注意してください。ドライフードを減らすなど調整してくださいね。
おわりに
野菜には魅力的な栄養素が豊富。でも、なかなか野菜を食べてくれない愛犬もいます。そんな時には野菜フレークを利用してみてください。直接フードにふりかけたり、お水でさっと溶かしてスープにしたり、とても食べやすいです。野菜の甘みも感じられるのでけっこう評判がいいんですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。