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【愛玩動物飼養管理士監修】1日1本から!愛猫との距離を縮める爪切り

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松尾 猛之(ねこライフ手帳製作委員会委員長/愛玩動物飼養管理士1級)

ペット用品メーカー勤務を経て、母子手帳からエンディングノートまで、愛猫との生活記録をオールインワンで記入できる「ねこライフ手帳ベーシック」を2019年に製作しました。手帳の販売を通して、飼い主である人間が愛猫の個性と向き合い、理想の暮らし方を自分で考えることの大切さをお伝えしています。

 

ねこライフ手帳製作委員会のホームページ

https://www.nekolifediary.com/

 

ねこライフ手帳製作委員会 松尾です。今回もよろしくお願いします。

 

当委員会では参加型の猫セミナー(講師のいない猫セミナー)を、オンラインで定期的に開催しています。

 

講師を招くのではなく、参加者が自分でテーマを決めて発言する形式。愛猫と暮らす中での疑問やお悩みについて、全員が同じ目線で有意義な意見交換が行える場となっています。

 

食事、トイレ、防災、猫アレルギー、猫のまんが、老後……

これまで参加者の皆さんからは、いろんなテーマを取り上げていただきましたが、

 

その中で、話題に上がる回数が最も多いのは「爪切り」です。

 

爪切りの議論が毎回のように活発になるのは、愛猫の爪を切る難しさはもちろん、各家庭でさまざまなお悩みがあることを表しているでしょう。

 

それでも、多くの方が「できれば自分で切ってあげたい」と思っておられるのも事実です。

 

今回は「愛猫の爪切り」について、爪を切る人間と切られる愛猫、それぞれの立場から広い視野で考えていきます。

 

◆「爪とぎ」と「爪切り」は似て非なるもの

まず、猫の爪切りについて、このような疑問をお持ちになったことはないでしょうか。

 

「爪とぎができているなら、爪切りの必要はないんじゃないか?」

 

爪とぎも爪切りも、爪を整える作業には変わりません。

しかしその理由や目的は、大きく異なるのです。

 

「猫は何のために爪とぎを行っているのか?」については、

こちらのコラムに詳しく書かれている通りとなります。

 

↓「猫が爪とぎをする理由は様々!飼い主なら知っておきたい習性と防止方法をご紹介」↓

https://petpro.jp/post-5868/

 

爪とぎは「爪を鋭くする、猫自身の行動」なのに対して、

爪切りは「爪の鋭さをなくす、人間による手入れ」です。

 

爪を切られた状態でも、爪とぎをする猫はいます。

よって「爪とぎは爪切りの代用にはならない」と捉えるべきでしょう。

 

「これやると、なんか落ち着くわ……」と思いながら爪とぎをする猫もいます。

いわゆる生活のルーティーンですね。

 

爪とぎによってストレス解消の効果が生まれ、長期的な健康ケアにも役立つ。

愛猫の爪切りができているご家庭でも、爪とぎが持つ「気分を安定させたい」という目的を大事に考えてみてはいかがでしょうか。

 

◆愛猫の爪が原因で起こるトラブル

野生の猫が獲物を捕まえるために使う爪は、生きていく上で大切な武器でした。

 

しかし家庭に入った猫は、狩猟を行う必要がありません。

むしろ人間と暮らす環境の中では、鋭利な爪が弊害を生むケースも出てきます。

 

いちばん多いのが、布地へのひっかきです。

 

カーテンによじ登ったり、クッションや枕カバー、あなたの衣服に爪を立てたりなど、繊維のほつれにつながる行動もよく見られます。

 

そのほつれが原因で、思わぬ事故が起きるかもしれません。爪がひっかかってねんざや脱臼を負う例も現実にあります。カーテンをよじ登るクセがある猫などは、特に注意が必要です。

 

また愛猫の爪といえば、一緒に暮らす住まいをガリガリ削ってしまうお悩みもよく聞きます。

 

柱や壁紙、家具、畳など……愛猫家の間では「減築」と呼ばれる行動です。

素材を選んで削りにかかる猫もいるので、爪とぎの設置で減築を防ぎたいですね。

 

さらに、爪の雑菌がもたらす影響にも気をつけなければいけません。

 

爪を出した猫パンチなどで出血した場合には、放っておくと菌による化膿や腫れ、発熱が出ることもあります。

程度によっては「猫ひっかき病」と呼ばれる症状で通院が必要なケースもありますので、すぐに水道水でしっかりと洗い流し、なるべく早い処置を心がけましょう。

 

◆愛猫の爪切りにはもう1つの意義がある

愛猫の爪切りには、前述したトラブルの防止以外にも大切な意義があります。

それは、愛猫とのスキンシップや健康状態の確認も兼ねられることです。

 

爪切りをしながら、愛猫の体を触診でチェックしてみましょう。

スキンシップの継続によって、体重や体型の変化など、細かな気づきもたくさん得られると思います。

 

そして肉球も、個体によってはひどいカサカサやひび割れなど、ケアが必要な場合があります。

普段から目につく部位ではないため、爪切りを通して目視できる、あるいは触って確認できる機会が持てるのもメリットと考えたいですね。

 

◆浅く、コツコツ、潔く・・・愛猫に嫌がられない爪切りのコツ

愛猫の爪を切ろうとして、嫌がられた経験を持つ方も多いかと思います。

 

生き物が相手である上に、爪切りの道具も刃物ですから、心を許してくれるまでは無理せず、あせらずの気持ちが大事。まずは以下の心得で臨んでみてはいかがでしょうか。

 

・切り方は「浅く」を心がけて

 

猫の爪は、指の根元を上下から軽く押すと出てきます。

どこまで切るべきか迷うと思いますが、爪切りの目的は鋭さをなくすことですから、先端だけで構いません。

 

まずは浅く1ミリ程度。爪を触ってチクッとならなければOKです。

 

しっかり切りたい気持ちも分かりますが、爪の根元には血管が通っており、深爪による出血の危険もあります。「爪切りは痛いものだ」と愛猫に思われてしまうのも良くありません。

 

とがってきたら、また切ればいいだけの話。

深追いによる深爪で、あなたと愛猫に深い溝を作ってしまわないよう、爪切りは「浅く」からはじめましょう。

 

・とにかく「コツコツ」1日1本から

 

猫の爪は合計18本(前足10本、後足8本)あります。

そして前足には親指の爪にあたる「狼爪(ろうそう)」という、切るのが難しいところもあります。

 

爪切りに慣れていない人間を、愛猫は簡単に受け入れてくれません。

まずは切れそうな爪を見つけて、1本切るところからスタートです。

 

1度にたくさん切ろうと欲張るより、最初の目標は1日1本。

 

「毎日、爪切りするの?」と思われるでしょうが、

これも大事なスキンシップですから、悪いことではありません。

 

愛猫とのスキンシップが継続されれば、爪を切られることへの恐怖心が徐々に薄れる効果にもつながります。焦ることなくコツコツと、気長に進歩させていきましょう。

 

・嫌がられたら「潔く」あきらめる

 

皆さんが幼い頃、親に爪を切ってもらった記憶を思い出せるでしょうか。

私は「じっとしていなさい」と言われて体を押さえられ、苦痛で仕方なかったですが。

 

しかし、愛猫に同じことをしていると想像すれば、切れるまでしつこく押さえつけるのは好ましくないと考えたくなります。

 

先ほどの「1日1本」もそうですが、無理して爪を切ったとしても、愛猫にとってそれが「嫌な時間」と記憶されてしまったら、次に爪を切る時の警戒心が大きくなる恐れもあります。

 

爪切りを見ただけで逃げてしまう猫もいますから、そうなると関係の修復にも時間が掛かることを覚悟しなければなりません。

 

嫌がる素振りを見せたら、いったん爪切りを隠して時間を置く。

何度かやってみてダメだったら、潔くあきらめてまた明日。

 

物言わぬ愛猫に対して人間の欲求を押しつけすぎないことは、爪切りにおいても大切な教訓なのです。

 

◆爪切りにも、あなたの気づきを生かした工夫を

愛猫の性格も幅広いですから、爪切りなんてとてもできないと思われる方もおられるでしょう。

 

もちろん無理は禁物です。しかし「なんとかできないものか」と可能性を探り、試行錯誤することについては、爪切りだけでなく、愛猫との暮らし全般を考えた上でも大きな意味があると私は思っています。

 

昼寝しているスキを狙ってみたり、抱っこしながら2人がかりで切ってみたり、ペーストおやつに夢中になっているところを狙ってみたり、といった成功例もあります。何事もアイデアは必要ですね。

 

また、かかりつけ獣医師の許可が得られるなら、動物病院で先生に切ってもらうのではなく、爪切りを持参して「動物病院で、自分で切らせてもらう」という考えもアリなのではないでしょうか。

 

先生が見ている中なので安心ですし、アドバイスを受けながら実践できるのも良い経験となるでしょう。

 

自宅でできるようになるためには、いろんなアプローチがある愛猫の爪切り。

でもいちばんの近道は、愛猫とのコミュニケーションを意識した、地道な努力の積み重ねです。

 

 

※巻き爪や疾患などによって爪切りが困難な場合には、必ずかかりつけ獣医師に相談してください。

 

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