「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
バレンタインといえば、ハート型。愛犬用のクッキーもハートの形にするとなんだか気分が盛り上がりませんか。
実は今回クッキーを思いついたきっかけは、我が家の新しい家族である子犬の悩みからです。もともとは大の食いしん坊だったのに、歯の抜け代わりをきっかけに偏食になってしまったのです。何か変な思い込みが入ったのでしょうが、とにかく肉以外のものを嫌がるようになってしまったのです。
多くの愛犬たちに人気のウェットフードもダメだったので、カリカリに焼いたものならどうかと思って作ってみたところ、食べてくれました。それ以来いろんなものを練りこんだクッキーを何回も焼いています。
今回ご紹介するクッキーは我が家の子犬も喜んだ栄養たっぷりのレバー&チーズ味とバレンタイン用にいちごパウダーを使ったクッキーの2種です。
使った材料の特徴や作り方をペットフーディストの山本が説明します。バレンタインにぜひ作ってみてくださいね。
全粒粉と米粉の違い
今回のクッキー2種はメインとなる粉(小麦粉の代わり)に全粒粉や米粉を使用しました。
製菓用材料としては一般的ですが、全粒粉と米粉ではそれぞれ特徴に違いがあります。
全粒粉
一般的なクッキーは小麦粉ですが、全粒粉は小麦粉では取り除かれる外皮や発芽のための栄養がたっぷり含まれる胚芽を含みます。
だから、小麦粉に比べて食物繊維、ビタミン、脂質も多いのが特徴です。風味もより香ばしくなります。
栄養価は高いといっても食物繊維が多いため、急激に血糖値をあげないところが全粒粉を用いるメリットです。
また消化のスピードが緩やかなので腹持ちが良くダイエット向きともいわれています。
もちろん、与えすぎると返って便秘や下痢の原因になりますしカロリー過多には注意が必要です。愛犬にはおやつの材料として少量ずつ与えるとよいでしょう。
米粉
小麦アレルギーの場合に使われるなど、米粉を使ったお菓子も数多くあります。米粉はお米を粉状にしたものです。精製した白米が材料なので、全粒粉と比べて食物繊維ほか栄養素は少なくその分糖質が多い素材になります。
口当たりもやさしく消化に良いため、老犬や病中の栄養補給などに役立ちます。
米粉は小麦のような粘性をもたないため、まとまりにくいのが難点です。今回は型抜きをするため、バターを使用してまとめやすくしました。バターは乳製品特有の嗜好性の高い風味を持つため、愛犬たちにとってもごちそうになります。
ハートクッキー2種のレシピ
ひとつめはラム&チーズ味のクッキーです。嗜好性の高いラムとチーズが主原料のウェットフードといえば犬たちにとってとても嗜好性が高いですね。ほんの大さじ1だけ使うので残りは小分けして冷凍すると良いでしょう。そこに野菜フレーク ミックス(じゃがいも、かぼちゃ、にんじん)や全粒粉を入れたので、ごはんのような栄養価のクッキーになります。
ふたつめはバレンタインなどにおすすめのいちごと米粉を使ったクッキーです。市販のいちごパウダーで簡単に作りましたが、果物のいちごがあれば潰して作るといいですよ。その場合は分量の水は無しで良いでしょう。バターのコクも入って焼き上がりはとても良い香りがします。
■材料
A)レバー&チーズ味
・デビフ レバー&チーズ 大さじ1
・全粒粉 30g
・野菜フレークミックス 7g
・桜エビ 小さじ1(適宜)
B)いちご味
・米粉 10g
・市販のいちごパウダー 小さじ1/2
・バター 5g
・水 小さじ1(調整)
カロリー:210kcal(全量)
■作り方
①オーブン180℃の余熱にセットして生地を作る。
A)レバー&チーズ味は桜エビ以外の材料をすべて混ぜる。
B)イチゴ味は米粉といちごパウダーを先によく混ぜる。
溶かしバターを加えてよくこねながら水を足しながらこねる。
(電子レンジで20~30秒(600W)ていどです)
材料がよく混ざり合ったら、ラップで包みおよそ四角い形に薄く伸ばした状態します。
冷蔵庫で30分ほど休ませます。
※A,Bそれぞれビニール袋に入れて混ぜこねると早いです。
生地はボソボソ気味でも手でギュッとまとめられるくらいの水分が型抜きしやすいです。
②生地を冷蔵庫から出し麺棒を使って2~3mm厚に伸ばします。
ハート型でくりぬいてオーブンシートの上に並べます。
桜エビをギュッと押しつけてトッピングします。
(焼き上がりに外れやすいため強めに埋め込むイメージが良いでしょう)
③180℃のオーブンで15分焼けば出来上がり。
焼き色が早めについてしまう場合は、途中でアルミホイルなどをかぶせてください。
(私の仕上がりは焼き色がつき過ぎました)
■与える量(給与量)の目安
今回のレシピは材料分で210kcalです。出来上がりが20個なら1個はおよそ11kcal。
体重3kgの愛犬のおやつには1日に1~2個まで。
脱酸素剤(製菓用サイトなどで購入可)を入れて密閉容器で保存すれば少しずつ与えられます。(保管状況にもよりますが冬場で常温3週間以内としてください)
さいごに
レバー&チーズ味は全粒粉や野菜フレーク入りで栄養たっぷりごはんのようなクッキーに、いちごはバレンタイン用のお楽しみクッキーにしました。桜エビはお好みです。
我が家の子犬は桜エビが気に入ったようで、まずは桜エビの匂いを確認してそこから食べようとします。
みなさんも愛犬の好みについていろいろ試してみてくださいね。意外な発見があるかもしれません。
食欲旺盛なタイプにはおやつの与えすぎに充分注意が必要ですが、大好物を知っていると老犬になってからの栄養補給のサポートに役立つことがあります。
ぜひ、お時間があるときに作ってみてくださいね。