「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
米や小麦を焼いたときの風味は香ばしく食欲をそそりますね。私たちだけでなく愛犬も同じです。匂いに敏感なので視力が衰えた老犬でも香りで食欲のスイッチを入れることができますよ。(与える前に鼻の前に食べ物を近づけて香りを確認させるなど)
今回は米粉で作るおやきを作りました。米粉に絹ごし豆腐を混ぜることでカロリーカットしています。中身は嗜好性の高いレバー&チーズで、ここには夏野菜を混ぜ込むことで今の時期に摂っておきたい栄養をプラスしています。
野菜だけでは食べない場合でも、風味の強いものの中に混ぜ込むと食べられることがあります。野菜の種類などはアレンジしていろんなタイプのおやきを作ってみてくださいね。
今回は作りやすい分量でのレシピや材料の豆知識をペットフーディストの山本がご紹介します。
材料の豆知識(豆腐、なす、きゅうり)
今回はおやきの生地には半分量を豆腐にしました。
具材にはおいしいウェットフード(レバー&チーズ)をメインに、気温が高くなるときに摂りたい夏野菜を混ぜ込みました。
豆腐
豆腐はタンパク源になるほか意外に脂質やカルシウムも含みます。脂肪燃焼を助けるレシチンが豊富で体を冷やす食品でもあるので上手に使いたいものです。おやきの生地に混ぜることで粘りを減らすことになり包むのが難しい反面、喉に詰まらせる心配や胃腸への負担が少ない素材といえます。
なす
他の食品と混ぜてしまうと癖がなくて犬にも食べやすい野菜です。薬膳では体のほてりをとり、栄養素を吸い上げる脾(西洋医学の脾臓とは異なります)の働きを助ける野菜。カロリーも少なくカサ増しにもおすすめです。紫色の色素は抗酸化や血管の健康維持にも良い成分。過熱して柔らかくする料理なら皮ごと使いたいですね。
きゅうり
きゅうりの9割以上は水分です。生で食べられる愛犬には良いおやつになりますね。カリウムが豊富なので、体内の水分を外に出すことに役立ちます。夏は水分摂取ばかり注目しがちですが、まずは古い水分を出してこそ、新しい水分を吸収しやすくなります。入れることだけでなく出すことも意識しましょう。
豆腐で作るおやきのレシピ
■材料
・デビフ レバー&チーズ 1缶
・絹ごし豆腐 60g
・米粉 20g
・野菜フレーク じゃがいも 10g
・きゅうり 2㎝
・なす 5mm
・ミニトマト 1個
※作りやすい目安の分量です(おやきの皮部分は少なめです)
副食(おやつ、間食)として適量を与えてください
カロリー:およそ270kcal(全量)
■作り方
①きゅうり、なす、トマトを細かく刻む
②フライパンにレバー&チーズ缶、①の野菜を入れて過熱する
少し野菜の水気を飛ばすイメージです
容器に入れて冷ます(冷蔵庫で冷やしておくと作りやすいです)
③豆腐、米粉、野菜フレークを混ぜ、よくこねておやきの生地を作る
④生地を3等分して具②を少量入れて包む
平べったく成形すると焼きやすいです(3㎝×4㎝くらい)
フライパンにサラダ油をしいて弱火で焼いてください
少し焼き色がつくくらいが香ばしい匂いがたちます
◎アレンジメニュー(団子)
粘りが少ない生地のため包むのが少し難しいです
具を包まず、小さな団子にして焼き、上に具をトッピングするのもいいですよ。
写真は(野菜フレークのにんじんを使ったのでほんのりオレンジ色です)
■与える量(給与量)の目安
与える際は食べやすいように切ってください
今回のレシピは材料分でおよそ270kcal。具は少量しか使わないので、出来上がりのおやきのカロリーとしてはおよそ210kcalほどです。活発な小型犬(体重5kgくらい)の場合は、2日に分けてごはんの一部やおやつとして与えてください。その場合は普段のごはんを1/3量くらい減らしてくださいね。
具の残りはトッピングや手作り食の材料として使用してください。
お湯で溶いてスープにするのもおすすめです。
暑い時期の散歩前にはたっぷり水分を摂ってから出かけると熱中症予防になるので、ぜひ利用してください。
さいごに
今回のレシピは愛犬たちが好む香ばしいおやき作りをご紹介しました。シニア期の栄養補給にもおすすめです。白玉粉(もち米)を使うともっちりして伸びも良いので包みやすくなりますが、喉につまらせる心配もあるので米粉を使用しました。
ゆっくりよく噛んで食べてね、と言って伝わると良いのですが、大好物は一気に飲み込んでしまう場合が多いですね。
心配な場合は出来るだけ小さく切って与えてください。
みなさんの愛犬たちが喜ぶ顔が増えますように。