「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
みなさんは赤いビーツを召し上がったことがありますか?カブのような形ですが、カブではなくほうれん草の仲間だそうです。ロシア料理の「ボルシチ」に使われていることで有名ですね。近年はサラダやスープ、デザートでも見かけることが多くなりました。鮮やかな赤紫の色が差し色としてもとても美しいです。
見た目だけでなく、栄養素もとても魅力的。もちろん愛犬にも与えられるので、健康維持に役立つ食材としてぜひ使いたい素材です。
今回はビーツの栄養素や愛犬にはどんな与え方をすればいいのか、ペット栄養管理士の山本がご紹介します。スーパーで見かけたときはぜひ使ってみてください。
食材の豆知識(ビーツ)
食べる点滴
食べる点滴と呼ばれるほど栄養価が高いビーツ。主な栄養素として、食物繊維、ビタミンC、カリウム、ベタイン、ポリフェノールなど。魅力としては、抗酸化成分が豊富ということ。細胞を傷つけて老化を早める活性酸素を除去するのに役立つ働きがあります。
一番は、体の中で特に働き者である肝臓にうれしい栄養素と言えます。
加熱でも生でも食べられる
愛犬にも生野菜としても与えることができます。ですが硬めの繊維質を持つため、細く切ることがおすすめです。もちろん一度に多量に与えると下痢や便秘になる可能性がありますので、気を付けましょう。
加熱するとホクホクした食感となり、ジャガイモと大根の中間くらいのイメージです。赤い色素(抗酸化成分を含む)をできるだけ残したい場合は、焼き芋のように皮ごと焼いたり茹でたりした後、冷ましてから皮をむきます。土臭い風味を好まない場合は茹でる際にリンゴ酢を加えるとさっぱりします。
愛犬用ヨーグルト入りビーツスープレシピ
■材料
・ビーツ 50g
・ささみ 小さめ1本(50gほど)
・小松菜 10g
・リンゴ酢 大さじ1/2
・桜エビ(あれば) 5匹
・水 400cc
・オリーブオイル(好みで) 小さじ1
上記は小型犬用に作りやすい分量です。
適量を与えてください。
カロリー:およそ180kcal(材料全量) オリーブオイル無しの場合125kcal
※1:フローズンヨーグルトは冷蔵庫で解凍したものを使います。
■作り方
①ビーツの皮をむき、1センチ角くらいに切る。小松菜も荒く切る。
②小鍋に200ccの水を入れささみを茹で、最後に小松菜も入れて火を通す。
③別の小鍋で水200cc、リンゴ酢、ビーツを入れて茹でる。
④冷ました③の煮汁ごと全部、茹でたささみの半量、ヨーグルトを入れてミキサー(ブレンダー)にかける。水分が少なければささみの茹で汁も足す。
⑤器に④を入れて残しておいたささみや小松菜、桜エビをトッピングしたら出来上がり。オリーブオイルは仕上げに少量をたらします。
※カロリーを足したい場合にオリーブオイルを加えますが、一度に多量だと軟便や下痢になります。はじめて与える場合は1食分には3~5滴程度にしておきましょう。
■与える量(給与量)の目安やアレンジ
全量(レシピ分量)は180kcalです(オリーブオイル無しの場合)ささみも入っているので、タンパク質も摂れるスープです。一度にたくさんではなく、小分けして3日ほどに分けて与えることをおすすめします。
上の写真のように我が家では体重4kgの愛犬の一食分に対して、大さじ1ずつ加えて与えています。
ヨーグルトやささみが入っているという点では食べやすい風味なので残さずに食べてくれました。生でもバリバリ食べるのが好みの愛犬には生のままでも楽しめます。フィラリアの薬を飲ませるなど、肝臓も忙しくなる時期には作ってあげたい一品です。
注意としては、この赤い色はかなり派手に染まるので、運び食べをする癖のあるパートナーにはやはりそのまま飲めるスープのようなレシピがおすすめです。ご注意くださいね。
さいごに
ビーツの旬は年に2回が一般的なようでこの6月にも旬がきます。ジャガイモやカブと比べるとかなり高価な野菜ですが、栄養価が高く、特にアンチエイジングや肝臓をいたわりたい時にうれしい素材です。ぜひ、愛犬のごはんにも使ってみてはいかがでしょう。
今回はプレーンヨーグルトも入っているので、腸の健康にも役立つレシピになりました。夏バテを防ぐにはしっかり水分を摂ることも大事なので、これからの時期にビーツスープはとてもおすすめです。特に水分の排出に役立つカリウムが豊富なので、古い水分を出して、新しい水分を摂りやすいようにしてくれます。
注意としては、心臓病、腎臓病のステージによっては、カリウムの制限も必要になるので、獣医師の指導に従ってください。
楽しくおいしいレシピで、みなさんの愛犬たちの喜ぶ顔が増えますように。