
愛犬のしつけで悩むことは多いと思いますが、きちんと向き合い、根気よく、しかも楽しくやっていくことで、かけがえのない関係性を築くことが出来ます。
素敵な愛犬ライフを楽しみましょう!
しつけとは
人とワンちゃんが互いに快適に暮らすため、ルールを決めて教えることを「しつけ」と言います。
仔犬と暮らし始めて、しつけをしなくては、と思う困りごとには以下のようなことがあげられると思います。
・咬み癖
・無駄吠え
・トイレの失敗
・社会化ができない など
これらは犬の習性からすれば異常な行動ではありませんが、一緒に暮らす上では問題のある行動になってしまいます。
家族の中でルールやコマンドを決めて、一貫した態度でしつけを行うことで、ワンちゃんとの信頼関係も深まります。
学習理論
しつけを始める前に、ベースとなる犬の学習の仕方を知っておきましょう。
犬は行動の結果に怒る良し悪しによって、その行動を増やしたり減らしたりします。分かりやすく言うと、損得勘定で行動すると考えてください。
例えば、
■お座りをしたらおやつをもらえた(得:嬉しいこと)→号令でお座りできるようになる。
■人の手や足を咬んでしまったらゲージに入れられた(損:嫌なこと)→手や足を咬まなくなる。
「嬉しいこと・楽しいこと」はしっかり褒める以外に、おやつをご褒美として使った方が効果的です。
「嫌なこと・悲しいこと」は無視をしたり、ケージに戻すなどして、構わないことが罰になります。
いわゆる体罰を行うしつけもありますが、むやみに体罰を行うことは、むしろ犬の攻撃性を引き出す結果となることもあり非常に危険です。犬のしつけは褒めることを基本としましょう。
それぞれの問題行動に対する対処方法
- ①咬み癖
仔犬を飼い始めて、まず困るのが「甘噛み」かと思いますが、咬むという行動欲求はすべての犬が持っています。
遊びの延長、口で物を確かめる、歯が痒いなど、理由はいくつかあるかと思いますが、まずはロープ状のおもちゃで遊んだり、おやつを仕込んで楽しく学習できる知育トイなどを使って、この咬む欲求を満たしてあげましょう。
【手足を咬んだときの対処方法】
・咬んできたら(歯が当たるのも×)「痛い」や「ダメ」などの決めたワードを必ず大きな声で言いましょう。
・遊ぶのを中断し、犬の顔を見ずに無視しましょう。
―NG行為―
・手で遊ばせて咬ませ続ける
・咬まれた手を口の奥に押し込む
・落ち着かせようと抱きかかえたり撫でる
- ②無駄吠え
咬むことと同様に、吠えることは犬にとって本能的な行動ですが、吠える理由は様々です。
・警戒や不安
・分離不安
・関心を求める行動、遊びの誘い
・認知症
【吠えるときの対処方法】
・基本的には吠える対象物からいったん遠ざかる
・叱るのではなく、静かになったらご褒美をあげる
・室内から窓の外に向けて吠える場合は、カーテンを閉める、窓のそばに行かせない
*おやつが欲しいなどの要求吠えの場合には、吠えても無視をしてください。
- ③トイレトレーニング
トイレトレーニングの基本は、成功例を積み上げることです。成功して褒める回数を増やしていきましょう。
理想のトイレ環境は、寝床から少し離れた場所です。
サークルケージ内で排泄させたい場合は、寝床とトイレを分けられるサイズにしましょう。
幼少期は成功例を増やすために、排泄したい様子(そわそわする、においをかぐ、回る)が見られたら、トイレに誘導しましょう。排泄が出来たらしっかり褒めてご褒美をあげ、サークルから出して遊んであげましょう。
【失敗した時の対処方法】
・排泄物は静かに片づけ、においが残らないようにしっかり掃除する。
―NG行為―
・失敗を叱る。
*排泄行為自体を怒られたと勘違いすると、飼い主の目が届かないところで排泄したり、排泄物を隠すために食糞を増長させたりします。
- ④社会化トレーニング
身体だけではなく心も成長する仔犬の時期に、適切な社会化を行わないと、問題行動につながる恐れがあります。
例えば、仔犬の時に様々な音(チャイム・花火・車・電車・雷など)に慣れていないと過剰に吠える原因になりますし、人や犬に慣れていないと警戒心から咬むなどの行動につながります。
社会化の適期は生後3~12週齢と言われています。なるべく早い月齢の時から外に連れ出しましょう(*ワクチン接種が済んでいない場合は、抱っこして連れていきましょう)。
<お散歩デビュー>
抱っこで連れていく場合にも、万が一を考えて、首輪(もしくはハーネス)とリードはつけておきましょう。
地面に慣れるまでは、ワンちゃんのペースでゆっくり、家の周囲から始めましょう。
食べられるようならおやつを与えながら、のんびり探検させてあげてください。
家の周囲に慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
*散歩はマナーが大切です。排泄物を処理するものもしっかり準備し、リードは適度な長さで持ちましょう。
犬の散歩は社会性を学び問題行動を抑制する効果があります。
小型犬だから外での運動は必要ない、ではなく、社会化不足にならないようにお散歩に連れていきましょう。