【獣医師監修】夏に気をつけること

小谷 聡子(ペット家族動物病院稲城押立店 院長)

子供の頃は夏が一番好きな季節でしたが、大人になるにつれてクーラー病や夏の冷え、薄着や夏バテなど気になることが増えてしまい、苦手な季節になってしまいました。今回はそんな私の苦手な夏に気をつけること、特に水分摂取と熱中症対策についてお話しします。

 

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水分補給について

今年は6月の梅雨の時期から、真夏のような暑い日が続いています。梅雨も早く開けるようで、夏の期間が長くなりそうですね。

普段診察をしていて意外と多い相談事に、ワンちゃんネコちゃんが全然お水を飲んでくれないといったお悩みがあります。
今はペットフードも昔と違い、缶詰タイプやパウチのタイプ、セミモイストといった、ドライフードに比べると水分が多く含まれている総合栄養食※1や一般食・補助食が増えてきました。

お水自体をゴクゴク、ペロペロと飲まなくても、ドライフード以外のお食事や補助食を上手に使うことで水分摂取ができます。

※1:総合栄養食とは、1日に摂取すべき栄養素がバランスよく配合されており、その製品とお水だけで必要な栄養がすべて入っているペットフードをさします。

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メディダイエット

メディムース

メディスープ

 

お水は味がなくて、飲むのが苦手な子では、粉ミルクを水で薄く溶く、またヨーグルトを水で薄めることで飲んでくれることも多いです。

ドライフードを水でふやかすことも有効ですが、味が薄くなり食べなくなってしまう子には、ミルクやヨーグルトをかけてあげることも効果的です。

おすすめ商品

ロイヤルゴートミルク

フローズンヨーグルト プレーン

 

ヨーグルトの場合は、砂糖の入っていないもの、脂肪分の少ないもの(低脂肪と書いてあると良い)を選んでください。

病気で低脂肪食を食べないといけない子以外でも、肥満対策で低脂肪のものを選ぶ方が増えており、低脂肪のペットフードやおやつをお勧めすることが多くなりました。

低脂肪と聞くと、なんだか味気ないように感じますが、今では様々なメーカーで研究がされており、ワンちゃんネコちゃん好みのフレーバーをつけた嗜好性の高い商品も多く出ています。

飼い主様から「これって食べさせて大丈夫ですか?」と見せてもらうペットフードやおやつなど、よく見ると低脂肪と書いてあるものも多く、こんなにたくさん増えているのか!と日々驚いています。美味しくて、体にいいものならば、長く続けられますね。

熱中症対策について

もう一つ、夏に気をつけることとして、熱中症対策についてお話しします。

熱中症対策としては、エアコンを26℃以下に設定する、日差しを避けて涼しい時間帯にお散歩に行く、水分補給をいつもより心掛ける、などが有名です。
家に帰ってきたら、クーラーの電源が切れて部屋が蒸し風呂状態になっていて、ワンちゃんネコちゃんが熱中症で亡くなっていたなど、悲しい事故も聞きますので、夏のお留守番は冬場より気を遣います。私の家では、夏場はカーテンを閉めてクーラーを複数台つけて、リビングやキッチンなどのドアは開け放した状態でお留守番をさせています。
ただし、エアコンが効きすぎて寒くなったワンちゃんネコちゃんがお腹を壊すといったこともありますので、冷えたおなかを温められるようにブランケットなどをいつも敷いておくことも大切です。

シニアのワンちゃんネコちゃんは暑さ寒さを若い時より感じにくくなっていますので、時々触ってからだが熱くないか冷たくないか、見てあげてください。

さいごに

少しでもおかしいなと感じたら、すぐに病院へ連絡をしてください。
病気になってから治療にとりかかるまでに、時間が空けばあくほど、比例して治るまでの時間もかかります。「熱中症かも」と思ってすぐに病院にいき点滴などの治療を行えば、翌日には全快する子もたくさんいます。

今年の夏は長くて暑いようですので、しっかり対策をとって、無事に乗り切りましょう。