【ペット栄養管理士監修】愛犬用レシピ:マフィン&とうもろこしクリーム

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山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

みなさんは愛犬におやつを与えますか?おやつはまったく与えないという考えの飼い主さんもいらっしゃいますね。それはもちろん愛犬の健康を思ってのこと。

太らせてしまったり、ごはんを食べなくなるなどの偏食を招いたりするよりは安心だということですね。

 

特に私たちが食べているケーキやクッキーのような人用のおやつは与えるべきではありません。ヒトと犬では食性が異なるためバターや砂糖を使用しているものは体に負担がかかります。

 

今回ご紹介するレシピはバターや砂糖を使わずに作るマフィンです。とうもろこしのパウダーを使って簡単にできるクリームも添えますよ。

レシピの作り方とおすすめの理由をペットフーディストの山本が説明します。ぜひお誕生日やイベント時に作ってみてくださいね。

バターや砂糖がいけないわけ

犬にバターや砂糖を与えてはいけないわけは、カロリー過多や食性の問題です。どちらも犬にとって毒性はありませんがなかには注意が必要なものもあります。

 

バター

香りが良く、乳製品全般に嗜好性が高い犬にとってもおいしいと感じるようです。ですが脂質なのでタンパク質や炭水化物の倍ほどのカロリーがあります。また血液の粘質を高める性質があるため、心臓に心配がある場合や水分をあまり摂らないタイプの愛犬には注意が必要です。

 

逆に与えたいときは介護時など食欲が低下しているときに、肉や野菜をバターで炒めるとカロリーとおいしさをアップすることが期待できるので試してみると良いでしょう。(※獣医師から食事制限の指導がない場合に限ります)

 

砂糖

血糖値をあげ過ぎてしまいます。自然界では血糖値を急激にあげる食べ物はありません。そのため血糖値を下げなければならないという事態はありえないこと。血糖値を下げる仕事をする膵臓に負担がかかってしまいます。

 

さらに糖質の中にはキシリトールといってヒトの食べ物に使われるものがありますが、こちらは犬が食べると発作や腎臓疾患など健康被害が起きますので注意してください。キシリトール入りガムを誤って食べてしまわないよう片付けておいてくださいね。

 

砂糖を利用する例外としては、小食な小型犬やパピー、または体質的に低血糖を引き起こす場合には、はちみつやシロップを舐めさせて血糖値を維持するサポートが必要な場合があります。シニア期に食欲低下した際など食欲のスイッチを入れるために少量舐めさせてみるということはあります。この場合もまずは獣医師に相談して適切なものを処方していただきましょう。

マフィン&とうもろこしクリーム

バターや砂糖を使っていないマフィンなんておいしいかしら?と思うかもしれませんが、これが意外といけるんですよ。私はヒト用のレシピを参考にしてアレンジをしています。

本来小麦粉自体は甘みがあるものなので砂糖を入れなくても食べられる味になることがわかりました。ヘルシーな食事を目指したい飼い主さんにもおすすめですよ。これを食べるようになると市販のマフィンは甘すぎて体に悪いのではと感じるほどです。

 

お誕生日など特別な日用にはちょっぴりデコレーションもしたいですよね。そんなときに便利なのが野菜フレークとうもろこしです。

とうもろこしの自然な甘みがとてもおいしいのです。

 

愛犬たちも大好きなプレーンヨーグルト(無糖)に混ぜて簡単にクリームができます。また、夏に旬を迎えるブルーベリーを見かけたら利用してみてください。やはり旬の果物を摂ることは体にとても良い栄養素を入れることになります。特にアントシアニン(紫色の色素)という抗酸化栄養素が豊富なブルーベリーは犬にもおすすめです。

 

■材料

・小麦粉 100g

・ベーキングパウダー 小さじ1

・豆乳 80CC

・全卵 1個

・レモン汁(柑橘系なら何でも) 小さじ1

野菜フレークとうもろこし 大さじ2(1日分目安)

・プレーンヨーグルト(無糖) 大さじ2(1日分目安)

・ブルーベリー 適宜

 

カロリー:500kcal(全量:直径4㎝浅型マフィン12個分)

 

■作り方

①(すぐできるのでオーブン180℃の余熱をはじめておくと良いでしょう)小麦粉とベーキングパウダーはよくふるっておく。

 

②卵と豆乳は泡だて器で5分ほど泡立てレモン汁を入れてさらに軽く混ぜる。

(柑橘系の汁は泡立ちを保つ役割をしてくれます)

 

③ ①と②をさっくり混ぜる。

 

④ ③をマフィン型に入れて180℃(余熱)で15分程度焼く。我が家のオーブンは火力が弱めなので20分焼きました。ご家庭の機器に合わせて調整してください。

 

⑤ヨーグルトと野菜フレークとうもろこしをよく混ぜてクリーム状にする。

※クリームは食べる分だけその都度作りましょう。スプーンでヨーグルトとフレークを同量ずつ混ぜます。分量は飼い主と一緒に食べる量を記載しています。

小型犬各小さじ1、大型犬は各大さじ1が目安量です。

 

⑥食べやすい大きさに切って③のクリーム、ブルーベリーをお好みで添えたら出来上がり。

 

■与える量(給与量)の目安

今回のレシピは1個あたり41kcalのおやつです。カロリーの調整が必要な場合は、目安として体重5kg成犬の場合は1日1個。主食を1割ほど減らして与えてください。主食を減らすのが難しい場合は、運動量を増やして太らないようにしてあげてくださいね。

 

少し甘みを感じるとうもろこしソースはシニア期の食欲低下時にも少し舐めさせてあげるといいかもしれません。犬は甘みを好むので食欲のスイッチが入るかもしれません。

さいごに

今回は、バターと砂糖を使わなくてもおいしく食べられるマフィンをご紹介しました。

いつもおやつたっぷりは避けるべきですが、たまには大喜びの日があってもいいですね。いろんな味を試して愛犬の反応を観察しておいてください。

きっと介護期にもそのことが役立ちますよ。

 

それではこれからの季節はしばらくこまめに水分を摂ることもお忘れなく。

美味しく健康的な食事ができますように。

 

 

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