【ペット栄養管理士監修】愛犬用にんじん寒天 

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山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

愛犬たちは夏を楽しんでいますか?なかなか日中はお出かけや散歩は難しく、夜も外に出たら息苦しいほどの暑さです。こんなときは無理なく水分補給をしたいものですね。

水の飲みすぎで胃液が薄まってしまったり、暑さ寒さ(空調)の調整で体が疲れていたりすると暑い時期特有のお腹の不調にもつながりやすいです。ジャーキーやガムなど硬いおやつは控えめにして消化に良いものでやさしく栄養が摂れるといいですね。

今回は消化に負担をかけないトッピングやおやつとしておすすめの寒天をご紹介します。味付けには水にさっと溶けて使いやすいにんじんフレークを選びました。にんじんにはβカロテンという抗酸化物質が豊富。夏の健康維持にうれしい栄養素です。

今回は愛犬たちに人気のささみと夏野菜のオクラも使い、手間をかけない電子レンジでの作り方をペット栄養管理士の山本が説明します。ぜひ参考になさってください。

食材の豆知識(寒天)

夏バテ対策に寒天をおすすめする理由は、水分保持力が高いから。寒天自体は低カロリーで、ほとんど無味無臭なので、愛犬が好む食材を入れやすいです。老犬にも食べやすく、のど越しが良いので食欲が落ちているときにもおすすめです。

ただし、食物繊維が豊富なのと水分保持が優秀な点から、普段からあまり水分を摂らない愛犬がたくさん食べるとうんちが緩くなる可能性があります。少量ずつ与えて適量を観察してみてください。

今回は、水にさっと溶けやすいにんじんフレークを使いました。にんじんは消化しやすくするために、柔らかく煮たり、すりおろしたり、けっこう気を使いますが、にんじんフレークはとても指で軽くこするだけでもパウダー状になるほどの繊細さなのでいつでも時間をかけずに使えます。もちろん、余計なものは入っておらず、にんじんのみの栄養を摂ることができるのが大きな魅力です。

愛犬用にんじん寒天のレシピ

■材料

・野菜フレーク にんじん https://petpro.jp/product_1008/ 4g

・鶏ささみ 25g

・さつまいも 10g

・寒天パウダー 1g

・寒天用の水 100cc強(少し多め)

・オクラ  1本

小型犬用に作りやすい分量です。

適量を与えてください。

カロリー:およそ50kcal(材料全量)

■作り方

①オクラのヘタと先端の固い部分は取り除き、厚さ2~3㎜の輪切りにする。

さつまいもは、3~4㎜角くらいに小さく切る。

耐熱用器にオクラとさつまいもを入れ水(分量外小さじ1)少しふりかけてから軽くラップをし、電子レンジ500W×1分加熱する。

ささみは均一の厚みになるよう切って広げる(写真は大きめなのでさらに切ることをおすすめします)

耐熱容器に入れたささみの半分以上浸かるくらいの水(分量外)を入れて軽くラップをして電子レンジで30秒加熱する。中までの加熱が足りない場合は、さらに30秒加熱する。熱いのでやけどしないようにご注意ください。

※お使いの機器や容器サイズにより加熱時間は変わります。ささみは水に浸かっていないと加熱時に飛び散ることがありますのでご注意ください。

②寒天パウダーと水を耐熱ガラス容器(見えやすいため)に入れて一度よく混ぜてから電子レンジ600W×1分半加熱します。電子レンジの前で見張っていて、最後のほうで表面がブクブク沸騰しているように見えていたらOKです。

熱いので注意しながら電子レンジから出して30秒ほど混ぜ続けます。

※寒天は一度沸騰させる、よく混ぜる、が固まる条件になります。

③①を小さめの容器に敷き詰める。②のかき混ぜが終わった寒天液ににんじんフレークを入れてよく溶かし、①を入れた容器にそそぐ。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。1時間ほどでも固まりますが、半日冷やしたらしっかり固くなり、容器から取り出しやすくなります。

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

全量(レシピ分量)は50kcalとかなりの低カロリーです。ですが、寒天を一度にたくさん食べるとうんちが緩くなってしまいます。出来上がりは小型犬で2~3日に分けて食べるイメージです。できれば、毎食少しずつごはんに混ぜて与えるのがおすすめです。

冷蔵保存で3日以内が消費期限の目安です。夏場はいつのまにか雑菌が増えてしまうことがあります。雑菌は目には見えないからやっかいですね。日数が経ってしまったものは与えないようにしましょう。

さいごに

寒天はいろいろアレンジができます。普段からあまり水分を摂らない愛犬にもおやつやご褒美代わりにこまめに少しずつ食べさせるのが理想です。

もしダイエットが必要な場合は、野菜フレークのみの寒天を作ってみてはいかがでしょう。少しフードの量を減らして、かさましの要領でごはんに混ぜてあげましょう。ダイエットでは栄養不足にも注意が必要なので、フードをたくさん減らすことはしないでくださいね。

目安としては、今回のレシピだと、出来上がりの1/3量と小さじ1強(少し多めのイメージ)のドライフードと置き換えるのが理想です。ぜひ意識してみてくださいね。

愛犬たちがおいしいごはんで元気に夏を乗り越えますように。