「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
9月は真夏の暑さが和らぎ、過ごしやすい気候になります。でも、体はまだまだ夏の影響が続いていて胃腸も弱っている場合もあります。食欲は徐々に増してくる時期ですが食べ過ぎにならないように注意したいところです。
そんな時にはお腹に優しくてしっかり栄養と水分が摂れるようなごはんがおすすめです。たとえば、オートミールは栄養価が高いうえに加熱すると水分をたっぷり吸いとても柔らかくなり犬にとっても食べやすい食材です。そこに夏のダメージの回復に役立つ抗酸化成分たっぷりの野菜を加えるとお腹にやさしいレシピになります。抗酸化成分は赤や緑が鮮やかな野菜に多く含まれているので、愛犬が食べやすいものを選ぶといいでしょう。
そこで今回はペット栄養管理の山本が、愛犬たちが大好きな鶏肉団子とオートミールで体にうれしいレシピの作り方をご紹介します。ぜひ、参考になさってください。
食材の豆知識(モロヘイヤ)
モロヘイヤは7月から9月が旬の葉野菜です。刻んで加熱すると粘りが出ることでも知られています。この粘りの成分は胃粘膜保護にも役立ち、また細胞の健康維持に役立つβカロテン、ビタミンC、のほか、カルシウムや水溶性食物繊維も豊富です。体の中をきれいにするのに役立つ栄養素が豊富なので、手に入るときにはぜひ使いたい野菜です。
ただし、シュウ酸を多く含むことが心配な方もいらっしゃいます。シュウ酸は犬に多いシュウ酸カルシウム結石の原因物質のひとつだからです。しっかり水分をとっていれば余分なシュウ酸はおしっこで出すことができますが、心配な場合は刻んでから少し水にさらしたり、茹でこぼすことでシュウ酸を減らすといいでしょう。結石になりやすい体質などで特に心配な場合は、小松菜や青梗菜などシュウ酸が少ない野菜に変えてくださいね。
愛犬用モロヘイヤ入り鶏肉団子のレシピ
■材料
・野菜フレーク にんじん https://petpro.jp/product_1008/ 4g
・鶏ひき肉 70g
・オートミール 30g
・モロヘイヤ(葉) 8g
・大根 10g
・うずらの卵 2個
・水 300cc
小型犬体重4㎏(成犬)の1日分の目安量です。適量を与えてください。
適量を与えてください。
カロリー:およそ260kcal(材料全量)
■作り方
① モロヘイヤはみじん切りにする。
大根は長さ2~3㎝の細切りにする。
② 鶏ひき肉、うずらの卵、モロヘイヤを混ぜ、粘りが出るまでこねる。
③小鍋に水、大根を入れて火にかける。
沸騰したら弱火にして②をスプーンで丸めながら鍋に入れる(9等分くらい目安)
※鍋に入れてからスプーンや箸で少し表面をおさえると形をきれいに整えられます。
団子を5分ほど煮たら火を止めて、野菜フレーク、オートミールを入れる。
再度5分ほど弱火で加熱したら出来上がり。
よく冷ましてから与えてください。
■与える量(給与量)の目安やアレンジ
全量(レシピ分量)は260kcalとなり、体重4㎏成犬としては少しダイエット向きです。若くて活発なタイプなど、もう少しカロリーを足したい場合はオリーブオイル小さじ1(全量に対して)を加えるなどして調整してください。
ただし、夏の疲れは涼しくなったころに出てくるケースも多いです。少しお腹をいたわるために、たまには低カロリーでお腹の負担を減らしてあげるのもおすすめです。愛犬の状態に合わせて調整してください。
また、オートミールはよく水分を吸収するので、食感が変化しやすいです。冷ましているうちにねっとり硬くなって食べにくそうなら、与える際に少し水分を足してあげるといいでしょう。
さいごに
今回は9月までが旬のモロヘイヤを使いましたが、小松菜や青梗菜などお好みの野菜でも作ってみてください。野菜が苦手な愛犬には最初は少量だけ混ぜ、食べるようなら少しずつ量を増やしていくといいでしょう。鶏肉のような嗜好性の高い肉の中に混ぜたり、鶏風味の煮汁を使うことで野菜が食べやすくなります。
人参は赤い色の抗酸化成分(βカロテン)が豊富ですが、犬にとって比較的消化が苦手なことで知られています。今回使っている野菜フレークは水にさっと溶け、調理がとても楽で、愛犬のお腹にもやさしいです。なにより、人参が持つ栄養がそのまま残っていることや、やさしい甘みが感じられるのも大きな魅力です。ぜひご興味があれば使ってみてくださいね。
愛犬たちがおいしいごはんで元気な毎日を送れますように。