「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
11月はどんどん気温が下がってきて冷えが気になりますね。潤いが大事な呼吸器や皮膚にお悩みがある場合は特に空気の乾燥にも注意したいところです。
そんなときには食べ物からも体を温めることや潤いを意識できるとうれしいですね。
そこで今回はペット栄養管理士の山本が、愛犬たちが食べやすい豚肉と鶏ハツを使ったハンバーグで愛犬の元気維持に配慮したレシピをご紹介します。ぜひ、参考になさってください。
食材の豆知識(豚肉、鶏ハツ、大根、にんじん)
薬膳の効能という視点では、私たちが料理で使う肉類の多くは体を温める作用があります。今回のレシピに使った豚肉や鶏ハツも体を温める素材です。
豚肉はビタミンB群が豊富なことが特徴です。ビタミンB群はエネルギーの代謝に役立ち体を疲れにくくすることを助けてくれます。
エネルギーの代謝とは、食べものから体が使う燃料に変えるというイメージです。
鶏ハツは鉄分やビタミンAが豊富なのが特徴。これらは血液を作る材料です。血液をしっかり作られることも体力を回復させることに必要です。
大根は肺を潤すという働きを持っているので空気の乾燥が気になるときにも使いたい野菜ですし、水分保持もよい点も愛犬におすすめの素材です。
にんじんは、βカロテンという抗酸化成分やビタミンAが豊富なので、目や免疫力にうれしい素材です。今回は消化にやさしい野菜フレーク にんじんを使っています。
愛犬用ポークハンバーグのレシピ
■材料
・野菜フレーク にんじん https://petpro.jp/product_1008/ 2g
・豚ひき肉 75g
・鶏ハツ 10g
・大根 20g
・茹でたさつまいも 20g
・茹でたブロッコリー 15g
・まいたけ 8g
・オリーブオイル(サラダ油など) 小さじ1
・ヨーグルト 大さじ1
※カルシウム剤(毎日完全手作り食の場合など。メーカーの推奨量で入れてください)
小型犬体重3㎏(成犬)の1日分の目安量です。適量を与えてください。
適量を与えてください。
カロリー:およそ260kcal(材料全量)
■作り方
① 鶏ハツは細かめに刻む。
野菜は火が通りやすいよう、また食べやすさを考慮して小さく切っておく。
(写真の大根は長さ4センチほどです)
②豚ひき肉と鶏ハツを粘りが出るまでよく混ぜる。
食べやすいサイズでハンバーグ状に成形する。
(写真は3センチ×1センチほどの大きさにしました)
③フライパンに油をひいて材料をすべて炒める。
②のハンバーグは裏表に火が通るまであまり動かさない。
ハンバーグに火が通ったら野菜に染み出た肉汁が絡むように動かしながら炒める。
④ヨーグルトと野菜フレーク にんじんを混ぜてソースを作る。
③が冷めたら器に盛り、ハンバーグの上にソースを乗せたら出来上がり。
※今回のソースはクリームように硬めの仕上がりです。
お好みで水を加えるなどして薄くして全体にかけてあげるのもおすすめです。
■与える量(給与量)の目安やアレンジ
全量(レシピ分量)は260kcalとなり、体重3㎏成犬(避妊・去勢済)向けの1日分のカロリーです。ダイエット用にしたい場合は、豚ひき肉を15gと同量の木綿豆腐に変えたり、油を使わなくても焦げ付かないフライパンなどを使って調理してください。
逆に太らせたい場合は、ジャガイモや炊いた白米を加えるなどしてカロリーアップするといいでしょう。
野菜フレーク にんじんで作ったソースは濃厚ではちみつのような甘い香りがします。にんじんの栄養を手軽に摂れますし、いつものドライフードにふりかけたり、今回のようにヨーグルトと混ぜたソース状でトッピングするのもおすすめです。とても便利ですので、ぜひこの機会に使ってみてはいかがでしょう。
最後になりますが、材料欄に※印をつけて書いたカルシウム剤について説明します。毎日手作り食のみを与える場合は、肉(タンパク質やリン)とカルシウムのバランスを摂ることも必要です。小魚や小松菜など、カルシウム豊富な材料を使っている場合や、たまに手作り食を与える程度であれば必要はありません。適宜調整を行ってください。
さいごに
豚肉も鶏ハツも比較的嗜好性の高い素材です。たくさん作ったら小分けして冷凍しておくのもいいでしょう。お薬を中に隠して食べさせることもできますし、老齢期に食欲が落ちてきたときにも食べやすい一品です。
冬は家族の食事としてお鍋などが増えてきますね。その際に最初のお出汁だけを摂り分けておき、愛犬用のスープや出汁として使い、今回のようなハンバーグを入れてあげるというアレンジも楽しめます。特に寒いときにはしょうがのすりおろしををほんの少量(耳かきいっぱいくらい)加えてもいいでしょう。体の中から温めることに役立ちます。
こんな風にいろんな工夫を楽しんでみてください。
愛犬たちがおいしいごはんで元気な毎日を送れますように。