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「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
2月のイベントというとバレンタインですね。愛犬におもちゃや新しい服を用意したり、また特別なおやつやごはんをプレゼントする方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するレシピは、手作り食のプレゼントをイメージしました。主食となるようたくさんの素材を使っているので一見ハードルが高いと思われるかもしれませんが、作り方はいたって簡単です。体が温まる素材をたっぷり使った風味豊かなポタージュですので、寒い日にもおすすめのレシピです。
主食になる手作り食は肉類の量が大事ですので考え方を説明します。ぜひ参考になさってください。
手作り食の肉類の量について
今回は体重3㎏成犬の主食になるレシピを作りましたので、主役となる肉類の量の考え方をご紹介します。ここでいう肉類とは(牛や豚のほか、鶏肉、魚肉等を含みます)
私たちと犬では、1日に必要なタンパク質量が異なります。体重あたりで比べるとおよそ犬は私たちの3~5倍のタンパク質が必要です。タンパク質量は肉の重量のおよそ2割相当ですので、一日に食べる肉の重量に換算するにはタンパク質の5倍で求められます。推奨される一日の肉類の量は、成人女性(体重50㎏)で250gほど。体重5kgの犬は100gほどです。あくまで健康な場合(タンパク質の制限がないこと)の例ですので病気で食事指導を受けている場合は、その内容に従ってください。
もちろんタンパク質は野菜や穀類にも少量含まれますし、豆類(大豆など)は良質で豊富なタンパク源になります。私たちは犬に比べて肉類以外からタンパク質をたくさん摂ることができますので推奨量ほど肉類を食べていない方のほうが多いでしょう。
ですが犬は私たちとは違い雑食性肉食動物です。体を維持するために必要な肉類に含まれる栄養素(アミノ酸)も私たちより種類が多く、基本的には肉類をタンパク質の主原材料として食べる必要があると知っておきましょう。
もちろん、推奨量はあくまで目安であり、運動量や年齢や体質によっても必要量は異なりますが、基本の量をベースに調整していくことをおすすめします。
食事全体として考えるには肉以外にも野菜や穀類(穀類不使用の場合は穀類以外の炭水化物源)、ビタミンA,ビタミンD、脂質なども考える必要がありますが、毎日継続して長期的に手作り食のみを与える場合以外では多少の栄養の過不足があっても問題無いでしょう。
愛犬用ポテトのポタージュレシピ
■材料
・野菜フレーク じゃがいも https://petpro.jp/post-16861/ 6g
・オートミール 9g
・鶏モモ肉(皮無し) 70g
・豆乳 60g
・カブ 30g
・ホウレンソウ 12g
・パプリカ 10g
・しめじ 8g
・バター 5g
・かつお節薄切り ひとつまみ(2g以下)
・しょうが 少々(耳かき2ほど)
・水 200g
※上記のレシピは体重3kg成犬の一日分のカロリー相当量になります。適量を与えて下さい。
カロリー(全量):およそ220kcal(材料全量)
鶏モモ肉は皮の部分を取り除いたものを使用します。カロリーをたくさん摂りたい愛犬には少し皮付きにしてその分重量も多くます。しょうがはすりおろしたものを少量使い、加熱するので辛みは感じないくらいです。体を温めるのに役立ちますが、風味に敏感で心配な場合は入れなくてもいいでしょう。パプリカの香りも苦手であれば人参や食べやすいものに変えてください。
■作り方
①鶏モモ肉は食べやすい大きさに切ります。野菜やきのこ類は粗みじん切りにします。作る楽しみを意識して、今回はパプリカをハート型にくり抜きました。今回は生のまま型抜きしましたが、少し硬く縁が粗くなりがちでした。時間に余裕があれば先に茹でてから型抜きするといいでしょう。
② 小鍋にバター、ホウレンソウ以外のものをすべて入れて加熱します。沸騰したら火を弱くして吹きこぼれないように調整します。ここから5分ほど加熱したら鶏モモ肉を取り出します。残りはさらに5分加熱し、最後にバター(1/3量)を混ぜてから火を止めます。
※バターは風味とカロリーをプラスするものです。ダイエット時は無くてもいいでしょう。
③フライパンでホウレンソウと鶏モモ肉を残りのバターで炒めます。出来上がり写真のようにホウレンソウと鶏モモ肉を分けて盛り付けたい場合は、大きめのフライパンの中で分けて炒めてください。
仕上げは②を冷ましてから器に入れ、③を盛りつけたら出来上がり。
■与える量(給与量)の目安やアレンジ
全量(レシピ分量)は230kcalで、体重3㎏成犬(避妊・去勢済み)の1日分の摂取カロリー相当です。このまま主食としても、トッピングで少しずついつものごはんに足してもいいでしょう。今回のレシピの場合は、ポタージュを大さじ2につき、主食のドライフードを小さじ1ほど減らすのが目安の調整量です。
さいごに
今回はお肉たっぷり、野菜も数種類使って主食として与えられるレシピをご紹介しました。手作り食はトッピングなら1~3種類の素材でもいいですが、主食ならかなり種類の数が増えます。それだけさまざまな栄養素を摂ることが理想だからです。スタート時点ではトッピングや数種類の少ない素材、または既製品(市販の商品)を利用して手軽なところから作ってみてはいかがでしょう。まずは愛犬の好みを知ることや習慣化することも大事だからです。
健康維持には水分摂取が大きな要と言えます。手作り食の良さは、ドライフードでは不足しがちな水分を食べ物と一緒に摂れること。旬の素材を取り入れたり、愛犬ごとに選ぶことができることです。何より、食べ物の楽しみを増やすことは愛犬の喜びです。
今回は主食用にカロリーを意識して作ったので材料の種類が多くなりましたが、作るのは意外と簡単なものです。ぜひ気軽に試してみてください。