【ペット栄養管理士監修】愛犬用ミルクゼリー

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山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

 

夏は、外の暑さと室内の冷房との温度差が大きくなりがちです。それで体調を崩さないように注意したいものですね。特に老犬では、夏場の食欲低下をできるだけ防ぎたいところですね。

病気や症状によっては、獣医師から指定のものしか与えてはいけないことが多くなりますが、食べないよりは、何か食べられるものを探して与えるようにと言われることもあります。

暑い時期には、ひんやりとした口当たりのものが食欲をそそり、食べることをサポートできるケースがあります。

今回は、ひんやり・さっぱり、それでいて胃にやさしいミルクゼリーのレシピや与え方についてペット栄養管理士の山本が説明します。

犬にゼラチンを与えてもいい?

ゼラチンは牛や豚のコラーゲンから作られた天然のタンパク質ですので、適量であれば問題なく愛犬に与えることができます。化学的な添加物ではない点でもおやつやごはんに使いやすい素材です。

 

ゼラチンを使う主なメリットは次の3つです。

・皮膚・被毛、関節の健康サポート

・低カロリー

・水分補給

 

コラーゲンは、皮膚・被毛、また関節成分の材料になるものです。もちろんお肉からでも摂れますが、ゼラチンになっている段階で消化にやさしい素材と言えます。

 

また、ゼリーに使用する量は、わずか5g です。愛犬が食べやすいように今回は少し多めの使用とはいえ、17kcalしかありません。今回のように鶏ささみや野菜と一緒に与えるなど、おやつはもちろん、ごはんの一部として利用しやすいです。

愛犬用ミルクゼリーのレシピ

■材料

・ミルク(ヤギミルク、牛乳、豆乳のいずれか) 120CC

・野菜フレーク とうもろこし https://petpro.jp/product_1007/ 6g

・鶏ささみ 20g

・トマト 15g

・ミニアスパラ 1本

・リンゴ 少量

・ゼラチン粉 5g

・湯(ゼラチンを溶かすため80℃) 50cc

・ミントの葉(無くても良い)

 

※上記のレシピは作りやすい分量(ゼリーは3個分)です。

出来上がり写真は、ゼリー1個分、そのほかの材料は全量で盛りつけています。
与える際は適量を意識してください。

カロリー(全量):およそ100kcal(材料全量)

 

■作り方

①ミニアスパラガスと鶏ささみを食べやすい大きさに小さく切ります。水100CC(分量外)を小鍋に入れて茹でます。鶏ささみに火が通ったら火を止めて冷まします。ミニトマトとリンゴは仕上げ前に切るといいでしょう。

②ミルクと野菜フレークをよく混ぜておきます。

ゼラチン粉は、80℃に温めたお湯(沸騰させてから少し置いたものを使うなど)で、溶いておきます。

※湯の温度が低すぎる(入浴できるような温度のイメージ)、または沸騰しているような状態ではゼリーが固まらない場合があるので注意してください。ゼラチンの箱に説明が書かれていますので、その通りにご使用ください。

③②のミルクと溶かしたゼラチンをよく混ぜて器に入れます。今回は小さなガラスコップに3つに分けて入れました。(シリコンカップなどでもいいでしょう)

あとで、そのまま取り出したい場合は、薄くサラダ油を塗っておくときれいに取り出せます。

冷蔵庫で2~3時間くらい冷やしたら出来上がり。

①の鶏ささみ、ミニアスパラガス、みじん切りにしたトマトや薄切りリンゴ、ミントの葉を添えたら出来上がり。

■与える量(給与量)の目安やアレンジ

今回のレシピでは、ゼリーは3個できます。ゼリー全量のカロリーは65kcalほどです。

体重4kg成犬で考えますと、1日のおやつとしては、ゼリー1個分が目安です。

さらに鶏ささみや野菜、果物も加えていますので、一日の食事量から1~2割ほど減らした代わりに与えるといいでしょう。(通常なら1割減らし、ダイエット時なら2割減らすのが目安です)

ミルクはカロリーが気になる場合は、水で薄めてもいいでしょう。ご参考までに、低脂肪牛乳と豆乳はほぼ同等のカロリーです。少しでも脂肪を控えたい場合に選ぶといいでしょう。また無糖のヨーグルトにするなど、アレンジも可能です。

さいごに

暑い夏を乗り切るためには、愛犬の食欲をいかに維持するかが大切です。ひんやりしたミルクゼリーは、食欲が落ちがちな時期にも食べやすく、水分補給にもなります。

ゼラチンのコラーゲンは皮膚・被毛や関節成分を作る材料にもなるうえ、低カロリーなのでダイエット中の愛犬にもおすすめです。 鶏ささみや野菜をトッピングすることで、栄養バランスも整えられます。愛犬の好みに合わせて、具材をアレンジしてみてくださいね。

ただし、体調に不安がある場合や、普段と違う症状が見られる場合は、まず獣医師にご相談ください。愛犬が元気に夏を過ごせるよう、手作りおやつで応援してあげませんか。