「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」
犬にドッグフード以外の食べ物を与えてはだめ、と聞いたことがありませんか?
私たちとは胃腸など消化器官の働きに違いがありますし、そもそも犬が食べてはいけない食品もあるからですね。または味付けしたものを与えると塩分過多になるからという理由もあります。
このように注意は必要ですが、ドッグフード以外の食品も与えることができます。しかも与え方によっては愛犬の健康に役立ち、食べる喜びを増やせます。それは私たち飼い主にとっても大きな喜びですよね。
今回はドッグフード以外の食品について愛犬に与えるメリットや与え方についてペットフーディストの山本が説明します。
【前回の記事:犬にも野菜が必要なわけ】➡ https://petpro.jp/post-11320/
ドッグフードとドッグフード以外の食品の違い
愛犬たちの主食は総合栄養食のドッグフード(ドライタイプ)が多いですね。これは水とこのフードのみで健康が維持できること、保存性、与えやすさも研究して作られています。
ドッグフード以外の食品では、肉、魚、野菜、果物、穀類など私たちと同じ自然食材を与えることができます。これらはドッグフードの原材料でもあります。ここ数年の間にはスーパーフードと呼ばれるものも、犬用のものが出てきました。たとえばモリンガ、クコの実、スピルリナなど。私たちに馴染みの深い黒ゴマだってスーパーフードです。
ドッグフード以外の食品(自然食材、スーパーフードなど)のメリットやデメリットを確認しておきましょう。
〇メリット
・栄養価が高い(旬のものや新鮮なもの)
・与え方は自在(愛犬の状態によって選ぶ)
・健康維持に大切な水分が摂れる(食材中の水分のこと)
・味や食感など食べる楽しみが増える
×デメリット
・保存性が低い
・調理のひと手間が必要(肉や魚を加熱する、野菜は消化しやすいようにする)
・栄養バランスや偏食になる心配がある
ドッグフード以外の食品の与え方
愛犬に合った食事の考え方はたくさんあります。ここでは、主食(ドライフード)にトッピング(混ぜる)することについて、心配ごとを防ぐ方法をお伝えします。
トッピングすることで心配されるのは主に次の2つです。
- 偏食になりそう(トッピングしか食べなくなりそう、グルメになりそう)
- 栄養過多(肥満や栄養の偏り)
偏食を防ぐ方法
愛犬によってはトッピングしたものだけを食べてドッグフードを食べなくなる場合があります。このときフードを食べないからといって、後からさらにトッピングを追加すると、どんどん愛犬の要求が強くなり偏食化してしまうことがあります。
偏食になりそうな場合は、トッピングの具材をフードによく混ぜた状態で与えましょう。食べなければ15分程度で器を下げて次の食事までは与えない様にします。(おやつも厳禁です)
食事を出されたときに食べなければ食べるものがないと覚えてもらうことが大事です。
また運動量が少なくてお腹が空かない場合もありますので生活全体を見直してみてくださいね。
栄養過多を防ぐ方法
まずは愛犬に合った量のフードを与えることが大事です。トッピングを始める際も、トッピングしたらその分フードの量を減らすようにしましょう。ただし、ドライフードを減らすのは多くても給与量の3割までです。これは愛犬に必要な栄養素の不足を防止するため。3割減らしても太ってくるようならトッピングが多すぎるということなので調整してくださいね。
また肉や魚など(脂質の多いジャーキー類)のおやつを食べている場合、肉や魚のトッピングをするとタンパク質の摂り過ぎになることがあります。肉や魚のおやつを減らせない場合は、トッピングはそれ以外のものが良いでしょう。
前回の記事「犬にも野菜が必要なわけ」 https://petpro.jp/post-11320/も参照にしてくださいね。
また、太りやすい場合は、偏食と同じく運動不足についても見直してみましょう。
初心者さん向けトッピング
簡単な順に3つのパターンをご紹介します。以下は体重5㎏の場合の目安量ですが愛犬に合わせて調整してくださいね。おすすめは野菜の甘みが美味しい野菜フレークMIXを使うレシピです。水やぬるま湯で溶くだけなのでとっても簡単です。野菜の調理の手間を省き栄養素はそのまま摂れる粉末状野菜なんです。商品の詳細
①一番簡単!
野菜フレークミックス(5g)をお湯(50~100cc)で溶き、ドライフードにかけるだけ。
与える際は温度に気を付けてください。(まずはフードの量は減らずに様子をみてください)
②ステップアップ
①をベースにアレンジです。家庭にあるものなら黒ゴマを擦ったものがおすすめです。
リンゴを微塵切りもしくはすりおろしたものを小さじ一杯分混ぜても良いでしょう。ブロッコリースプラウトならそのまま乗せても消化に負担がかかりません。
③タンパク質を与えたいとき
①または②にさらに鶏肉(ささみもしくは胸肉)、魚(タラ)もしくは豆腐などをプラスします。これらは脂質が低く、タンパク質が豊富な食品です。鶏肉や魚は茹でてから身をほぐします(魚の骨があれば取り除く)肉や魚、豆腐類のいずれかを20g(1日分)使用します。
茹で汁も香りのご馳走なので野菜フレークミックスを溶くお湯の代わりに使うといいですよ。
③をトッピングをする際はドライフード5g(1日分)ほどを目安に減らしましょう。
■材料(写真のレシピ)
ササミ:20g
野菜フレークミックス:5g
ミニトマト:1個
スプラウト:ひとつまみ
おわりに
ドッグフード以外の食品を与えるメリットと与え方について説明しました。ただし、犬にも味や食感に好みがあり、ドライフードがふやけている状態を好まない場合もあります。その場合は、ドライフードとトッピングを別々の皿に入れて食べるかどうか様子をみてみましょう。いろんなパターンを試して愛犬の好みを探ってみてくださいね。
もしトッピングすることに不安を感じるならやめておきましょう。飼い主さんの不安は愛犬に伝わってしまうからです。食事ではなく遊びや散歩の工夫に時間を作ってあげてくださいね。
今回の情報が愛犬との生活に役立ちましたら嬉しいです。ぜひ試してみてください。