【ペット栄養管理士監修】愛犬用レシピ:ポーチドエッグ

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山本由能(ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法上級インストラクター師範)

「愛犬との暮らしをきっかけに犬の栄養学をたくさん学び実践してきました。
私が作ったごはんを愛犬が喜んで食べてくれる様子を見るのが何より幸せ。
愛犬の心と体を健康にするごはんを多くの人に伝えていきたいと思っています。」

みなさんの愛犬は夏バテしませんでしたか?これから気温が下がり過ごしやすくなった頃にも動物病院のお世話になる愛犬たちは増えますので注意してくださいね。

 

そんなちょっと気になる季節には簡単でお腹に負担少なく元気チャージできるごはんを作れるといいですね。

私のおすすめはお腹に負担をかけないという意味でおかゆのように柔らかいウェットフード。さらに健康維持に役立つ野菜や果物の酸化栄養素をちょこっとプラスしてあげること。

これらは甘みや風味が愛犬の嗜好性をアップしてくれますのでおいしさもアップします。

 

そしてメインはポーチドエッグ。これが元気チャージにおすすめなんです。

 

今回はポーチドエッグを使ったレシピの作り方とおすすめの理由をペットフーディストの山本が説明します。

卵の栄養価

私たちにとっても愛犬にとっても卵は栄養価の高い食材です。第一に良質なタンパク質を含むこと。ここでの良質とは体に吸収されやすく利用価値の高いという意味であり、「アミノ酸スコアが高い」という表現を用います。卵のアミノ酸スコアは100点(100点満点)です。

 

たとえば、牛肉や鶏肉などの肉類や魚、牛乳や大豆もアミノ酸スコアが100点ですが、精白米は65点、トマトは48点です。

私たちよりも体重当たり多くのタンパク質を必要とする犬にとって主要な栄養源となる肉類と同じように卵は効率よく吸収できる栄養源なのです。

 

ご存じの通り、タンパク質は体を作る材料になるほかホルモンや酵素の材料でもあります。また現代注目されている抗体の材料にもなるので体には不足のないように摂りたいものです。

 

タンパク質のほか脂質、ビタミン、ミネラルといったさまざまな栄養素を含んでおり、ビタミンCと食物繊維質以外のものすべてが摂れるので、最強の栄養食品とも呼ばれています。

ポーチドエッグ(黄身が生)を摂るメリット

ポーチドエッグは卵を熱湯の中に落として過熱したもの。黄身は生の状態に仕上げます。

卵の白身と黄身では、黄身の方に有益な栄養素がたっぷり。中には過熱に弱い栄養素もありますが、ポーチドエッグならできるだけたくさんの栄養素を残すことができるんです。

 

たとえばレシチン。レシチンは私たちや愛犬の体の元であるひとつひとつの細胞を健康に保つために必要なもの。卵黄やレバー、うなぎ、大豆、ごま油などに含まれています。

 

ほかにはビタミンB群。ビタミンB群はエネルギーを作り出すときや神経伝達にも必要な栄養素です。レシチンとともに細胞の健康維持にも役立っています。

 

そんな貴重なレシチン、ビタミンB群を出来るだけ熱で壊れないようにして摂りたいですよね。

 

■材料

・ウェットフード(デビフ かつお白身白米入り) 1/3

野菜フレークにんじん 3g

・卵 1個

・リンゴ 1片

・酢またはレモン汁 大さじ1

・黒ゴマ 少々

 

カロリー:130kcal

 

■作り方

①ポーチドエッグを作る(半熟の茹で卵でもOK)。

鍋に水を入れ沸騰させる。中火にして酢またはレモン汁を入れる。

水をかき混ぜた状態(水流を作る)で生卵を落とし入れる。

1分ほど過熱したら火を止める。

2~3分ほどおいて白身が固まった状態(黄身は生)で水の中に掬い入れておく。

 

②リンゴをすりおろし、野菜フレークにんじん、ウェットフード(デビフ かつお白身白米入り)と混ぜる。ウェットフードににんじんフレークとリンゴを混ぜる

 

③器に②を入れ、その上に①を乗せる。黄身を出してから、最後にすりおろした黒ゴマをふれば出来上がり。

たまにはこんな1食のときのときがあっても良いですよね。

 

もしくは1/3ずついつものフードにトッピングするのもおすすめです。
(冷蔵保存してその日中に消費してください)

 

◆レシピ素材のポイント

にんじん、黒ゴマはそれぞれ抗酸化栄養素であるβカロテンやポリフェノールが含まれます。

リンゴは水溶性食物繊維や有機酸が胃腸の働きをサポートしてくれます。

とっても簡単にプラスできるので、毎日ちょこっと加えるのがおすすめですよ。

 

■与える量(給与量)の目安

今回のレシピは1個あたり130kcalです。小型犬なら主食のドッグフードを2~3割ほど減らしてこちらを1/3量ずつトッピングしてくださいね。ドッグフードを減らさずにトッピングするとそれだけカロリーが増えますので太り気味の愛犬は要注意です。

なお毎日これだけを与え続けても良いというレシピではありません(総合栄養食ではない)のでこの点もご注意ください。

 

消化に負担をかけずに元気チャージをしたいとき、たとえば夏バテ気味の体から秋に向けて養生したいときなどにおすすめです。

ただしドライフード以外のものを食べなれていない場合は、いきなりたくさん与えるとお腹がびっくりしてしまうことがあります。はじめは少量ずつ舐めさせて様子をみてくださいね。

不安であれば小さじ1くらいだけ与えてみてみましょう。

さいごに

今回は、ポーチドエッグという黄身が生の状態で卵を与えるレシピをご紹介しました。半熟卵で良いのですが、慣れるとポーチドエッグの方が早く楽にできます。私は失敗して形が悪くなってしまいましたが、ご愛嬌とさせてください。

 

これから秋に入ると少しずつカロリー消費が増えてくる季節です。おいしくやさしくエネルギー補給したいときにぜひ今回のレシピを試してみてくださいね。

 

みなさんの愛犬が健康でごはんがおいしい毎日を過ごせますように。