【愛玩動物飼養管理士監修】私を含む「犬に吠えられる人」に共通する理由の数々

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松尾 猛之(ねこライフ手帳製作委員会委員長/愛玩動物飼養管理士1級)

ペット用品メーカー勤務を経て、母子手帳からエンディングノートまで、愛猫との生活記録をオールインワンで記入できる「ねこライフ手帳ベーシック」を2019年に製作しました。手帳の販売を通して、飼い主である人間が愛猫の個性と向き合い、理想の暮らし方を自分で考えることの大切さをお伝えしています。

 

ねこライフ手帳製作委員会の松尾です。今回もよろしくお願いいたします。

 

「何もしていないのに、なぜか犬に吠えられてしまう」という人が一定の割合で存在します。

 

残念ながら、私もその1人です。

 

犬は苦手でも、もちろん嫌いでもなく。

もちろん犬に吠えられたいという願望もありません。

 

でもご近所で出会った時や、道ですれ違った時、一緒にいる犬たちの多くは私の姿を見るやいなや、吠えてくるのです。

 

世間的に言われている理由もあれば、自分自身で思い当たる理由もありますが、

何にせよ犬たちが私に吠えてくるのに「理由」があることは間違いありません。

 

今回は私コラムとなりますが、

意図せず犬に吠えられてしまう人の気持ちに寄り添ってお楽しみください。

私はマンション中のワンちゃんから嫌われているかもしれない

マンションの同じ階に住んでいて、会うたびにお話しする女性がだっこしているチワワ。

 

朝のゴミ出しに行く途中に見かけてご挨拶する、お散歩中のイングリッシュ・コッカー・スパニエル。

 

私が外から帰ってきた時に正面の入口でよくすれ違う、夜のお散歩に出かけるイタリアングレイハウンド。

 

・・・私はみんなに吠えられてしまいます。ものすごい勢いで。

 

私から急に近づくこともなければ、驚かせようとしているわけでもありません。

飼い主さんには軽くご挨拶しますが、それすらもワンちゃんたちは許してくれないようで・・・

 

飼い主の方々にはいつも「ごめんなさい」と恐縮されてしまいます。

でも謝りたいのはむしろ私のほう。

 

同じ建物の中で日常的にお会いする皆さんゆえに、同じ家族であるワンちゃんたちに(おそらく)不快な思いをさせていることへの申し訳なさは拭えません。

私は動物病院でもワンちゃんからの評判が良くない

先日、愛猫のワクチン接種で自宅近くの動物病院を訪れた時もそうでした。

 

このとき待合室にいたのは、リュックに入った我が愛猫以外、すべて犬。

入口のドアを開けた我々の姿を見つけると、ワンちゃんの視線はリュックにいる愛猫ではなく、私に向けられました。

 

しっぽを振って興奮するワンちゃん、吠えたそうな様子のワンちゃん、我慢できずに吠えてしまっているワンちゃん・・・

飼い主の皆さんが「すみません」と言いながら慌ててなだめます。すみませんと言いたいのは私なのですが。本当に申し訳ない。

 

結局ワンちゃんたちとは距離を置いた待合室の隅っこで、小さくなって順番を待っていた私と愛猫。初対面の犬からも私は良く思われていないのかと、落ち込みながら帰ったのであります。

私調べ・犬に吠えられやすい人によくある原因

犬が人間に向かって吠えるのには、いろんな理由があるとされています。

 

うれしい気持ちもあれば警戒や恐怖、興奮などいろんな感情が含まれる他、飼い主に対して何かを要求する思いで吠えることもあるというのが一般的な考察です。

 

愛犬の表情やしっぽの動きなどにも表れやすいので、いろんな部位を観察しながら理由を推測することも飼い主の役目といえるでしょう。

 

一方で、犬たちにばかり原因を押しつけるわけにもいきません。

吠えられている私自身にも何らかの理由があると考えることも必要です。

 

「犬に吠えられやすい人間」にはどんな特徴があるのか。

いろんな情報源を調べてみると、主に多く取り上げられていたのが以下の6つでした。

 

・声が大きい

・体が大きい

・犬に無理やり近づこう、触ろうとする

・香水、タバコなどの匂いが衣服についている

・犬を怖がる気持ちが相手に伝わっている

・黒い服を着ている

 

ご覧の通り、多くの項目が威圧感や不快感につながるもの。視覚だけでなく聴覚、嗅覚に関係する要素も含まれています。

 

中には人間側の自覚が難しいものもありますが、自分より大きい上に得体の知れない人間を前にするわけですから、個体によっては恐怖に捉えられても仕方ないと理解できますね。

 

さて私ですが、他所の家のワンちゃんには最大限の気配りを持って接しているつもりです。

声の大きさはもちろん、急に距離を近づけることもしないよう注意しています。

 

ただ上記の項目の中で、私に心当たりがあるものもありまして。

 

・黒い服を着ている

 

正直、着ている服には黒が多いです。寒い季節になるとなおさら黒の比率が増えます。

もしこれが犬を遠ざけてしまう理由だったらと心配になったので、先日お店で白のダウンジャケットを買いました。

 

そしてもう1つ。

 

・香水、タバコなどの匂いが衣服についている

 

断っておきますが、私は香水をつけませんし、喫煙もしません。

ただ「匂い」というワードが引っ掛かったのです。犬の嗅覚は言わずもがなの良さですから。

 

ひょっとして・・・

 

・香水、タバコなどの匂いが衣服についている

・猫の匂いが衣服についている

 

だったら、私もこれはなかなか自覚できない要素になるかと。

愛猫たちの匂いは家庭の匂い、日常に沁みついた匂いですから。

 

「アイツの家には猫がいる」だけならともかく、

「アイツは異常なほどの猫愛を持っている、つまり我々の敵である」とワンちゃんたちに誤解されて吠えられる・・・

 

ウチには複数頭の猫がいるのでその可能性もあるなと、少々過剰かもしれない憶測を巡らせています。

私への嫌悪感より「飼い主を守りたい気持ち」だと思いたい

「犬は人に付き、猫は家に付く」といわれます。

 

猫と違って犬はずっと家で過ごすわけではなく、散歩やお出かけに行く機会も多い生き物。

常に行動を共にする飼い主への忠誠心が高い、という意味合いで使われることもある言葉です。

 

もちろん猫にも飼い主になつく、甘える個体はたくさんいます。しかし飼い主とのコミュニケーションが屋内外を問わず必要となる犬については、さらに強い関係性が築かれていく場面も少なくないように感じます。

 

特に知らない人がたくさんいて、誰が近づいて来るかも分からない公の場所であれば、愛犬が飼い主以外の人間に警戒心を持って反応することも不思議ではありません。

 

よって私のような人間に吠えることもまた「目の前の知らないヤツからご主人様を守るんだ」という真っ当な正義感だと、私は解釈したいと思っています。

 

ご近所のお知り合いや通りすがりの方が連れているワンちゃんが、飼い主のボディーガードの役割を果たそうとしているのであれば、私のような人間であればいくら吠えられても構わない。実際にこの話をするとご近所の皆さんには苦笑されますが、これは紛れもない私の本心なのです。

「我々への関心や学びが足りない」私に対する犬たちからのメッセージ

私は高校を卒業するまで、実家で愛犬と暮らしていました。

ペット業界勤務の時代には多くの犬たちと触れ合った経験もあり、犬が苦手だという意識も持っていません。

 

その後、猫と暮らすようになって「ねこライフ手帳」を作り、公私ともに猫へとシフトしていきましたが、現在も犬に従事する皆さんとつながりができる機会は多く、決して「猫だけ」という極端な日常というわけでもありません。

 

よく「犬派、猫派」とかいって動物の好みに派閥を作りたがる風潮もありますが、私はあまり感心しません。犬と猫には生き物として共通する部分も多く、暮らし方、育て方を無理に分けて考えることもないように感じるからです。

 

都合の良い解釈ですが・・・私が犬に吠えられやすくなったのは「猫ばっかりじゃなくて、もっと犬にも関心を持てよ」という私へのメッセージでもあると受け取っています。

 

猫もいいけれど、もっと犬のことにも関心を持ち、勉強して深い学びができるよう、今後より一層精進したい。ワンちゃんたちから吠えられる時間を、自らの戒めにしている今日この頃です。