猫の下部尿路の病気と日々の生活でできる予防【獣医師監修】

辰野真理子(ペット家族動物病院西五反田店 院長)

排尿は生きていくうえで欠かせない活動です。排尿時にトラブルがあると生活の質も下がってしまいますよね。

今回はネコちゃんのおしっこトラブルの予防に関してご紹介いたします。

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下部尿路の病気とは?

膀胱と尿道をあわせて「下部尿路」といいます。ネコちゃんはこの部分の病気が比較的多く、まとめて「下部尿路疾患」と呼ばれています。代表的なのは特発性膀胱炎や尿路結石で、ときには命に関わることもあるため、日ごろの予防がとても大切です。

 

飼い主さんが気づきやすいサインとしては、

 

・トイレに何度も行くのに少ししかおしっこが出ない

・血が混じった尿が出る

・トイレ以外の場所でおしっこしてしまう

・苦しそうに鳴く

 

などがあります。こうした様子が見られたら、できるだけ早く動物病院に相談してください。

 

 

【特発性膀胱炎】

1~10歳の猫の下部尿路疾患の中で、約6割を占めるといわれています。原因がはっきりしないことが多く、自然に回復するケースもありますが、再発を繰り返すこともあります。

特に関係しているのがストレスです。気候の変化、来客、ほかの猫との関係、トイレ環境など、さまざまな要因が影響します。繊細で不安になりやすいネコちゃんは注意が必要です。

 

日常でできる工夫としては、

・できるだけ静かで落ち着ける生活環境を整える

・トイレの数や清潔さを保つ

・ストレスをやわらげる成分(GABA、L-トリプトファン、ミルクプロテインなど)を含むフードやサプリメントを取り入れる

といった方法があります。

 

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【尿路結石】

膀胱や腎臓に石ができてしまう病気で、下部尿路疾患のネコちゃんの内、約20%が発症しています。石が尿道に詰まってしまうとおしっこが出せなくなり、命にかかわることがあります。ミネラル成分の摂取量やバランスが崩れ、おしっこのpHが酸性やアルカリ性に傾くことで石ができやすくなります。

雄ネコちゃんは雌ネコちゃんに比べて尿道が細長いため、詰まりやすく、より管理に気をつけなければなりません。また、水をあまり飲まないネコちゃんは、長時間おしっこが膀胱内に留まる為、石ができやすくなってしまうので注意が必要です。

日々の予防としては、ミネラルバランスに配慮した食事をあげ続けることが大切です。

しかし、お食事だけでの管理は難しく、再発し易い病気のため、飲水量を増やしておしっこを沢山出してもらえるとなお良いでしょう。お食事や捕食の水分量を増やすためにも缶詰やスープをあげることや、ネコちゃんによって好きな水の飲み方も異なるので、複数の水飲み場を設置してみることもお勧めです。

 

予防のポイントは、

・ミネラルバランスに配慮した食事を続けること

・飲水量を増やす工夫(ウェットフードやスープを取り入れる、複数の場所に水を置く、好みに合った水飲み場を見つける)

・ストレスの少ないトイレ環境を整える

 

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トイレ環境が合わないと猫ちゃんは排尿を我慢してしまい、病気の悪化や再発につながることもあります。基本のポイントは次のとおりです。

 

ストレスの少ないトイレ環境とは

トイレ環境が好ましくないと、トイレを我慢してしまい、症状が改善しない、再発しやすいなどが起こる可能性が考えられます。

設置場所:人通りが少なく落ち着けるところ

トイレの大きさ:体長(首の付け根~しっぽの付け根)の1.5倍以上

数:猫の頭数+1個が目安

猫砂:猫ちゃんの好みに合わせる(鉱物系を好む子が多いです)

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また、汚れたトイレは猫ちゃんが使いたがらないので、こまめに掃除してあげましょう。

 

 

まとめ

猫の下部尿路疾患は、頻尿や血尿などで気づかれることが多く、ときには命にかかわります。

「おしっこが出ていない」「トイレで苦しそうに鳴く」「ぐったりしている」など気になる症状があれば、迷わず早めに動物病院へ相談してください。

 

そして、食事・飲水量・生活環境の工夫で、猫ちゃんの健やかな毎日を守ってあげましょう。